英語で気をつけたい否定表現の中の部分否定 | 賢脳トピックス

英語でのコミュニケーションにおいて、ちょっと勘違いすると全然違うニュアンスになってしまい、トラブルの元になりかねないものの一つに否定表現があります。

和訳はもちろんですが、特に自分で英文を作るときなどは、否定表現の使い方を間違えるととんでもない誤解を生じてしまうこともありますので注意が必要です。

部分否定と完全否定

英語での否定は、部分否定完全否定があります。

日本語で言えば、「すべてが・・・というわけではない」というのが、物事を部分的に否定している『部分否定』で、「すべてが・・・でない」というように全体を否定しているのが『完全否定』になります。

Not all themembers agreed.(全てのメンバーが同意したわけではありません。)

この英文の否定語(Not)は、「all themembers agreed」を否定しているので、すべてではないという部分否定になります。

つまり、同意しなかった人もいるということになります。

部分否定のパターン

部分否定の代表的なパターンをご紹介します。

対象が二者の場合の部分否定には、次の形が用いられます。
not ~ both ⇒ 両方ともが・・・というわけではない。(対象が二者の部分否定)

I don't want both the shirts. (私は両方のシャツが欲しいわけではない。)

対象が三者以上の部分否定には、次の形が用いられます。
not ~ all ⇒ すべてが・・・というわけではない
not ~ every ⇒ すべてが・・・というわけではない 

Not everybody was present.(全員が出席していたわけではない。)

副詞を用いた部分否定では、「常に」「必ず」「完全に」などを意味する副詞が使われ、「常に [必ず、完全に] ~というわけではない」という部分否定の意味になります。

使われる副詞としては、次のようなものがあります。

altogether (まったく)
always (常に)
completely (完全に)
entirely (完全に)
necessarily (必ず)
quite (まったく)
totally (完全に)

I didn’t completely understand what he was saying.(私は彼の言っていたことを完全に理解したわけではない。)

部分否定にも完全否定にもとれるパターン

やっかいなことに、部分否定にも完全否定にもとれるパターンがあります。

All the members did not agre.
(すべてのメンバーが同意しなかった。)⇒すべてのメンバーが反対した。(完全否定)
(すべてのメンバーが同意したわけではない)(部分否定)

両方の訳とも正しいのですが、どうしてこんなことが起こるのかというと、not という否定語は、文中に出てきていても、文全体を否定する力をもった強い言葉だからなのです。

どっちにもとれるようなこの表現では、「すべてのメンバーが反対したって伝えたでしょ?」 ⇒ 「ええ? 全てのメンバーが同意したわけじゃないっていうから、まだ完全に同意はとれていないと思ってたよ」となりかねません。

もし、誤解がないようにはっきりと「誰も同意しなかったんだよ!」と伝えたい場合は、次のような言い方になります。

No members agreed. (メンバーは誰も同意しませんでした。)

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