あいまいに思い出すより答えを見るほうが良い | 賢脳トピックス

物を覚えていくとき、記憶が定着してしまえば、自分の記憶に自信が持てますが、まだそこまでいかず、情報をしっかりと覚えてないうちは、勘違いなどを起こして、間違った情報を記憶してしまうことだってあるのです。

記憶は上書きされる

よく男の恋愛は別名保存で、女の恋愛は上書き保存などという人もいますが、記憶に関していうと上書き保存といってよいでしょう。

実は、『記憶』とははかないもので、自分で記憶して確かなものだと思っていても、時間経つと変わっていってしまう可能性があります。

エリザベス・ロフタスという米国の心理学者が行った実験では、実験の対象者に「あなたは子供のころにショッピングモールで迷子になった」というウソの記憶を刷り込みました。

当然、自分の身に起きたことなのだから、いくらウソの記憶を刷り込んだとしても、信じるわけないと思いきや、結果は実に参加者の1/4がウソの記憶を信じたのです。

これは、たとえ自分に起きた出来事であったとしても、記憶は後から上書きしてしまうということがわかったとも言えます。

刑事ドラマでの目撃者の証言

刑事ドラマで、目撃者が警察から犯人の容貌を聞かれて、「紺色の服に黒ぶちのメガネをかけていて」と思っていたはずなのに、何度も警察から聞かれているうちに、「そういえば、メガネはかけていなかったかも」というようになったり、「いやいやメガネは銀縁だったような気もする」と記憶が曖昧になったり、皮って言ったりしてしまうシーンがあります。

別に目撃者はウソをつこうとしているわけではありませんが、このように証言があいまいになったり変わってしまいます。

これは目撃者がワザとやっているわけではなく、記憶の上書きが起こっているのです。

思い出す時に新たな情報が入ってきたり、その時の感情が加わったりすることで、記憶がどんどん書き換わり、新に覚え直してしまい、以前とは違う情報なのに、脳がそれを正しいと思い込んでしまうことがあるのです。

そして、人間の記憶は「思い出したときに不安点になる」という性質もあるのです。

覚えたことをチェックするときわからなければすぐ正解を見る

復習などで覚えたことをチェックするとき、答えがすぐに思い出せないことがあります。

そんなとき、うなりながらも思い出そうとする人がいます。

もちろん、思い出す粘りや思い出す力も必要なのですが、記憶が不安点なうちに、間違った答えを覚えてしまうリスクもあります。

復習で記憶があいまいなのに、「確かにあれだ」という思い込みで見切り発車してしまうと、その時点で記憶が上書きされて、まちがった情報を覚えてしまうことにもなりかねません。

暗記物は、さっさと解答をみて正しい情報を脳に記憶し直すほうがずっと勉強法としては効率的です。

思い出すにしても、思い出したあと本当に正しいのかすぐ見て確認できる形にしておくほうが良いのです。

ただ、思い出す力も鍛えることが重要なので、日常生活の中で、度忘れしているだけというような時は、できるだけ自分の力で思い出すようにします。

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