街の書店をちょっと覗いてみると、「速読」や「右脳」をテーマにした書籍が並べられています。受験生や資格試験を受けようとしている人、英語を学習しようという人にとっては、ちょっと興味をひくようなキーワードです。
速読は文字が速く読めるだけでなく、脳を活性化させる
速読は、きちんと理解して読めているのであれば、例えば同じ内容の文章を倍のスピードで読むことができれば、単純計算をすると同じ時間で倍の知識を吸収することができることになります。
または、同じ内容の文章を2回繰り返して学習することができることになるので、より記憶がしっかりとしたものになっていきます。
速読すると、記憶力が良くなるというのは、同じ時間で繰り返して学習できるからとも言われていますが、それだけではありません。
速読をすると、脳の血流量が大幅にアップすることが証明されています。
速読をすると左脳では血流が2杯に、そして右脳では15倍になるということがわかっています。
実験は、アメリカのユタ大学で行われたもので、2日に1回7分間の速読トレーニングを8週間続けて、訓練前と訓練後の脳の活動領域を調べています。
fMRI (functional magnetic resonance imaging)という、MRI(核磁気共鳴)の一種でもある装置で、ヒトおよび動物の脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化できる画像機器を使って測定した結果、右脳ではトレーニングにより、歳台で1500%増加した脳の活動領域がありました。
右脳は使わなければ衰える
記憶力や速読に関する本を沢山だしている新日本速読研究会の川村氏によると、右脳は使わないでいると五感、つまり右脳はどんどんと鈍ってしまうと言っています。そしてこの現象は「脳の五感のスロー化」とも呼ばれています。
どのように速読するのか
速読は、一字一句を詠んでいくのではなく、文書をブロックで読む感覚になります。
つまり文書を文字ではなく画像としてとらえていくもので、このように写真のようにとらえていくことで、右脳が活性化され、記憶力や思考力、概念やイメージといったものを司っている右脳能力が活発になっていきます。
そしてイメージ記憶は長期記憶として定着しやすいということはわかっています。
現代人は、知識偏重で左脳教育を受けてきているので、右脳より左脳のほうがよく使われていて、右脳が鈍ってきています。
速読で文章をブロックの写真としてとらえる練習をしていくことで右脳が鍛えられ、鈍っている右脳が活性化されてきます。そして左脳と右脳のバランスがとれてくるのです。