なぜ多くの権力者は悪人となるのか | 薬剤師トピックス

多くの人が権力を持つとともに、性格が変わると言われています。
権力と人間性の関係は、心理学的にも非常に興味ある問題として取り上げられてきました。

多くの人が権力を持つとともに、性格が変わると言われています。
権力と人間性の関係は、心理学的にも非常に興味ある問題として取り上げられてきました。

権力を利用した悪人

権力者の代表的なものとして政治家があげられます。

最近の政治では、「忖度」などという言葉も流行しましたが、これも、権力を傘にきた政治家と、その甘い汁に群がろうとする人間が、不公平な取引をするということになります。

権力をもつと、何でも金や権力の力でどうにでもなると思い込んでしまうのでしょう。

なぜ権力の言うことがまかり通るのか

権力者が言ったことは、たとえ間違ったことでも、理にかなっていないことであっても、なぜかそれが通ってしまいます。

それは、権力者に逆らうとえらい目にあう、または権力者に従ってさえいれば自分はいいポジションにいることができるといったことがあるから、自分ではそれがおかしいと思っても、損得勘定で素直に従ってしまうのです。

例えば、労使の関係で言うと、圧倒的に経営者より労働者のほうが弱い立場で、経営者は労働者に対して、
「もっと働け! 業績を上げろ!」と言います。
そして加えて
「さもないと、給料下げるぞ! おまえの代わりなんていくらでもいるんだからな」
と脅すわけです。

労働者側がたまったもんではありません。
給料下げてほしくないと一生懸命働くわけです。

経営者は給料を決める権限を持っているということになると、その権限を行使したくなるものなのです。

権力を持っている人ほど、それを行使したくなるというのが人間の性なのでしょう。

だから、権力を持ったならば、その辺のことを自覚していなければなりません。

権力はあったほうがいいのか、ないほうがいいのか

ここで難しい問題があります。
それは権力はあったほうがいいのか、ないほうがいいのかという問題です。

米国の心理学者であるキプニスは、大学の実験室に仮想の会社を作って実験をしました、。
管理職役と、その部下役複数人、そしてその両者の間をつなぐ連絡係を設定しました、

部下役には、製品組み立てなどの作業を、管理職役には部下たちへの指示出しと作業成果の向上を任せました。

このとき、部下の解雇までの指示権限をもった管理職と、簡単な作業の指示のみの権限しか与えられなかった管理職とで比較しました。

すると部下の解雇まで権限がある管理職のほうが頻繁に支持を出して影響力の行使を図っていて、さらに部下の能力を低く見積もる傾向が見られたのです。

強い権限の管理職の場合は上司の介入を招き、弱い権限の管理職の場合は部下の自主性が尊重されました。

多くの人が権力を持つとともに、性格が変わると言われています。
権力と人間性の関係は、心理学的にも非常に興味ある問題として取り上げられてきました。

強い権限の管理職の場合は、どこまでが上司のせいかなのかがあいまいになり、権力の墜落を招いてしまいました。

あくまでも可能性の問題ですが、もし職場でも取引先でも、多くの権限を持っているという人がいた場合、その人はその権限を行使したがるし、周りの能力を過小評価する傾向があるかもしれないので、注意が必要です。

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