サッカーでは、もしかしたら人間の目の性質上、オフサイドが多く誤診されている可能性があります。
人間は過去のものを見ている
私たちが見ているものは、実は全て過去のものなのです。
例えば、夜空に輝く星ですが、それは何億年も昔に放たれた光であり、もう存在しない星の光を見ているかもしれないというのは有名な話です。
同様に、太陽光においても、私たちが見ているのは実際には、約8分20秒前に放たれた光なのです。
つまり、私たち人間は、リアルタイムの太陽を見ることはできず、見ているのは8分20秒前の太陽なのです。
もっと厳密なことを言うと、目の前にいる彼氏彼女も、ほんのごくわずかな時間ですが、光が伝わってくる時間の分だけ過去を見ていることになります。
しかし、このような時間はほんのごくわずかなので、実際には、むしろ光が眼に届いた後に脳内で処理するのに、より長い時間がかかっています。
人間のフラッシュラグ効果
人間には、この脳内処理にかかる認識時間のズレを補正するため、『フラッシュラグ効果』と呼ばれる仕組みが備わっているのです。
観察者が、自分の前を左から右へと通り過ぎていく人を見ているとします。
その通り過ぎていく人が目の前にいるとき、その光を見て観察者が物体を認識したとします。
しかし、脳内処理のため認識するまでに多少の時間がかかってしまうので、認識したときには、目の前を左から右へと移動しているので、観察者が通り過ぎていく人を認識した瞬間は、通り過ぎていく人は、実施には右側にいることになります。
こうすることで人間は、動いている物体の位置をリアルタイムでは正しく認識できなくなるのですが、人間の脳は、それを補正する能力を持っていて、動いている物体に応じて、届いた光の情報より少し右に物体があると認識するのですが、これをフラッシュラグ効果と言います。
サッカーのオフサイドの誤審
サッカーでオフサイドをチェックするため審判がいたとします。
手前にディフェンスの選手、奥にオフェンダーの選手がいて、攻撃サイドの選手からボールが蹴られた瞬間、奥のオフェンダーの選手が動き出したとします。
そこで『フラッシュラグ効果』が働きます。
動き出したオフェンダーの選手には『フラッシュラグ効果』が働き位置を正しく把握するため少し前に移動したように補正されますが、この『フラッシュラグ効果』はまだ止まっていたディフェンダーの選手には働かないため、止まっていたディフェンダーの選手の認識に時間のずれがあっても、位置が変わらないので、本当は同時期に真横にいたとしても、オフェンダーの選手だけが飛び出しているように見えてしまい、実際はオフサイドではないのに、オフサイドに見えてしまうことがあるのです。
最も、最近ではビデオ判定などがあるので、こうした誤審も少なくなっているのかもしれません。