わかっちゃいるけどやめられない強迫症 | 薬剤師トピックス

最近では、頻繁にアルコール消毒をしたり手を洗ったり、誰もいない公園でも常にマスクをしていたりという人も、昔に比べて増えてきたような気がします。

よくあることに「とらわれ」たり、それにより「繰り返し行動」をする人達がいます。

強迫症

昔は、不安障害というカテゴリーの中に入れられていた『強迫症(OCD:dbssensive compulsive disorder)は、とらわれや繰り返し行動が主な症状の障害であるということで、強迫症と関連症というカテゴリーにまとめられています。

以前は強迫症の頻度はそんなにないのではないかと言われていましたが、有病率2%、つまり100人いたら2人は罹患するということがわかってきました。

強迫症の症状としては、スーダラ節じゃないですが、「わかっちゃいるけどやめられない」という面があります。

たとえば、「手を洗う」ということを繰り返さずにはいられないというものです。

この手を洗うという行動は、自分の心の中に嫌な強迫概念、つまり考えがわきあがってきて、その概念を取り除くためにとってしまう一種の強迫行為になります。

手を洗うのをやめられないというのは、根底に「手を洗わないと病気になる」という過度の心配・不安があるためです。

強迫症の症状は、いろいろな形となって、とらわれや繰り返し行動となって現れてきますが、このように、清潔への過度なこだわりに関するタイプが一番多くなっています。

強迫症の行動タイプ

強迫症のタイプで一番多いのが、清潔への過度なこだわりです。

しょっちゅう手を洗うというのもそうですし、やたらとアルコール消毒している人、ほとんど人がいないところでもずっとマスクをしている人なども、感染を過度に恐れての強迫行為といえるでしょう。

清潔に関する潔癖症もその一つで、ひどくなると階段の手すりやつり革など、大勢の人が触るものに手を触れられなかったりもします。

清潔への過度なこだわり以外では、確認行為に関連したものもあります。

外出するときに、鍵をかけたかしら、ガス栓止めたかしら、水道の蛇口閉まってるかしらと、心配になって何度も何度も確認を繰り返すといったような場合が、強迫症になります。

あとは、儀式的に繰り返す意味がない行動で、自分だけの呪文をとなえたり、必要もないのに数を数えたりなどといった行為が強迫行為になります。

ものが捨てられないというのも、たとえば後になって必要になるかもしれないと古いチラシを捨てずにためてしまうなどといったものも強迫行動に含まれます。

強迫行為の特徴

いろいろなタイプがある強迫行為ですが、共通した特徴があり、それは、やっている本人自身は、その強迫観念や行動が過剰で不合理だということを自覚している点です。

つまり、わかっちゃいるけどやめられないのです。

多少神経質という程度であればいいのですが、あまりにも度がすぎると、それにより本人が苦しんだり、スムーズに社会生活が送れなくなってくることもあり、そうなれば治療が必要と言えます。

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