セクハラ(セクシャル・ハラスメント)は、他人を不快にさせる性的な言動になります。
セクハラというと、男性が女性に対して行うものというイメージがありますが、女性から男性に対しての場合も、男性から男性に対しての場合も、女性から女性に対しての場合もあります。
「男のくせに根性がないな」とかも該当しますし、場合によっては「女の子」といっただけでも、人格を認めないような呼び方としてセクハラにされる可能性もあります。
セクハラを起こしやすいシチュエーションの面白い実験
米国では、どんな状況においてセクハラが起こりやすくなるのかという研究がすすめられています。
その中で有名な実験があるのですが、男性面接官に、女性の新入社員の面接をしているというしちゅえしょんの実験になります。
片方のグループには、「これから面接をしてもらうけど、あなたの意見は一応参考にするだけで、彼女の採用・不採用にはほぼ関係ありません。」と告げておきます。
もう片方のグループには、「これから面接をしてもらうけど、あなたの意見次第で、彼女の採用・不採用はほとんど決定します。」と告げ、権限の強さを強調します。
さて、面接がはじまったらどうなったでしょうか。
権限をもつとセクハラしやすくなる
まずは、「あなたの意見は参考にするだけで採用・不採用にはほぼ関係ない」と権限をもたされなかった場合、男性面接官は、まったくセクハラ的な質問をしませんでした。
しかし、「あなたの意見次第で採用・不採用がほぼ決定する」と強い権限を与えられたばあい、男性面接官は、「どんな男性が好みですか?」とか、「どうして子供を作らないのですか?」といった採用には全く関係ないと思われる女性が嫌がるような質問をしたり、女性の体をジロジロと眺めるといったセクハラ的な行動がとても多かったのです。
このことから、セクハラが起こるのは、男性個人の性的異常性によるところというよりも、むしろ「権限」という要素がとても影響しているのではないかということです。
人間という動物は、権限を大きく与えられると、それをはきちがえて、自分の持つ信念や意見を過信するようになり、それが自分の偏見に基づく判断において「AはBであるに決まっている」といったように正当性があるように思い込んでしまう傾向があります。
強い権限を与えられて、「女性は性的対象である」というように決めつけてしまう傾向があったのです。
権限でセクハラするのは男性だけじゃない
このように強い権限を与えられることにより、セクハラする傾向があるのは男性だけに限りません。
面接官を女性にして、新入社員を男性にしても、同様の結果になるようです。
権限の強さが、意外な要因となってセクハラを生み出すということがあります。
職場でも、特に権限を持っているような人は、部下との会話や接触に人一倍注意するひつようがあるかもしれません。