大変だ! 高校生が禁煙パッチを買いに来た | 薬剤師トピックス

薬局にはいろいろな人がやってきますが、中には困ったチャンもやってきます。

「あの、禁煙パッチが欲しいんですけど・・・」
なんだか薬局に制服をきたいかにも高校生が来局してきました。
いろいろと薬を探しているようですが、しばらくするとこちらの方へ歩いてきてひと言こう言います。

高校生 :
「あの、禁煙パッチが欲しいんですけど」

薬剤師の心の声 :
なぬ? この子どうみても高校生。なのに禁煙パッチって・・・
そっそうよ、きっと、お父さんかなんかに禁煙パッチ買ってきてとか頼まれたんだわ。きっとそうだわ。
一応、適正使用の一環として、質問はしてみるけど・・・

薬剤師 :
「あの、禁煙パッチは誰がお使いになるのでしょうか?」

薬剤師の心の声 :
おっおっお願いだ! 僕のパパでちゅ!と言ってくれ!
いや、高校生だから、僕のパパでちゅ!はおかしいか・・・
私の父です!となるのか・・・

そうこうしているうちに、なんとなくモジモジしていた高校生が口を開く

高校生 :
「あのー、実は俺なんす」

薬剤師の心の声 :
あちゃーーーーーーー

薬剤師として最優先するのは高校生の健康

あちゃーーーと驚いてばかりもいられません。
医療従事者の薬剤師として、何が一番大切なのかということを考えなければいけません。

何が一番大切なのかというと、この高校生の健康のためにも禁煙をやめさせてあげることです。

そして、そのためには何ができるのか!

極悪薬剤師

極悪薬剤師であれば、次のように考えるかもしれません。
言われるまま、商品も売れるしということで、今の話は聞かなかったことに・・・
こっちは、売ってくれと言ってきたから売ったまでだ!

天の声
あなた、そんなことしていいの? 高校生にニコチン製剤を何の説明もなしに売っちゃうの?
しかも使うのがその高校生だって知ってるのに?
ダメでしょ! そんなの・・・

正義感薬剤師
「ちょっとあんたね、何高校生なのにタバコなんて吸ってるのよ! 少しは反省しなさいよ。
だいたい、高校生のうちからタバコなんて吸ってるのにロクなヤツはいないのよ」

高校生
「ロクなヤツじゃないですか・・・ そしたらナナなヤツですか?」

天の声
おいおい、高校生と漫才やってどうするねん!
せっかく高校生が禁煙しようと思い立って、おそるおそる来局してくれたんでしょ。
怒ってどうするの!

禁煙パッチを買いにきた高校生への対応

高校生は、叱られるかもしれない、変な目でみられるかもしれないのを覚悟で、正直に禁煙パッチを使うのは自分だと告白してくれたのです。
「禁煙パッチを使うのは、僕のパパだよ!」とウソをつけばつけたかもしれません。

でも、正直に話してくれたのは、医療関係者である薬剤師に相談にのってもらいたいという思いもどこかにあるのかもしれません。

薬剤師 :
「よく、正直に話してくれたね。 正直に話してくれてうれしいわ。 どうしたら禁煙できるか、いっしょに考えていきましょう。」

そう、まずは、禁煙をしようと決意したこと、そして喫煙していたことを正直に話してくれたことを怒るのではなく、評価し認めてあげることが大切でしょう。

そして、禁煙パッチは、未成年が試用すると思わぬ副作用がでてくる可能性もあり、その危険性についてわかりやすく説明してあげることが大切でしょう。
そして、せっかく禁煙を思い立った今が、禁煙をするチャンス!

禁煙外来は未成年者でもきちんと相談に乗ってくれますので、医師のもと適切な方法で禁煙してもらうためにも、禁煙外来を紹介してあげると良いでしょう。
もし、禁煙外来には行きづらいというような感じであれば、禁煙外来に連絡・アポをとってあげて、診察の予約をしてあげたりすると良いでしょう。
少しは行きやすくなるでしょう。

それでも、禁煙外来は受診したくないという場合は、無理に強制的に禁煙外来の受診を勧めるのではなく、どうしたら上手に禁煙できるのかについて、真摯に相談にのってあげ、協力できることがあれば、サポートしてあげるという対応をしてあげるのが良いでしょう。

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