仕事も少人数のほうが合理的 | 薬剤師トピックス

仕事をするときに、何でも人数が多ければそれにこしたことがないという人がいますが、合理的に考えるとそれは少し違うような気がします。

もちろん、職場でキリキリの人数で回していたとすると、もし何か不足の事態が生じた時、全く対処できなくなってしまいます。

少しは余剰人員がいたほうが安心できますし、そうあるべきで、そうでなければブラック企業と言わざるを得ないでしょう。

お仕事と綱引き

学校の体育祭であれ、町内会の運動会でああれ、綱引きをしたことがある人も多いのではないでしょうか。

もし、この綱引き、1対1での対戦となった場合、100%の力を出すと思います。
しかし、大運動会のように大勢で綱引きをした場合、自分は100%力を出しているでしょうか?

おそらく多くの人が、いやいや100%なんて力出していないというと思います。
実はこの綱引き、とある研究で使われています。

それは農学者のリンゲルマンで、綱引きによって人間の集団作業による一人当たりのパフォーマンスを調査しているのです。

それによると、1人で綱引きをする場合の力を100%とすると、2人で綱引きした場合は平均して93%の力に、3人で綱引きをした場合は85%、4人で綱引きをした場合は77%、5人で綱引きをした場合は70%、8人で綱引きをした場合は49%の力しか出していないことがわかりました。

つまり、綱引きも8人ですれば、1人当たり半分の力も出していないということになります。

リンゲルマン効果とフリーライダー

この綱引きの例からもわかるように、集団行動学として、作業に携わる人数が増えていくほど、1人あたりの手抜き度合が高くなっていく傾向があり、これを綱引きの研究をしたリンゲルマンにちなんで、『リンゲルマン効果』と呼んでいます。

企業などで仕事をする場合、中には他のメンバーの貢献にタダ乗りしてくる人がいます。

いわゆる「フリーライダー」ですが、こうしたフリーライダーは、真面目に仕事をしている他のメンバーの負担を増やし、全体のモチベーションを下げてしまうことにもつながりかねません。

なくせフリーライダー

企業としても、いかにフリーライダーをなくすかというのは大きな問題で、生産性の効率化という点で重要です。

かといって、どんどん人員を削っていけば、社員はくたびれ効率はさがり、モチベーションも下がってしまい、また何か問題が起こったときも臨機応変に対処する余裕がなくなってしまいます。

アメリカでは、従業員のうち8割以上が業務中にネットサーフィンをしたり、私的なメールをしてたりという調査結果もあるようですが、こうしたものを強制的に排除しようとしても問題はなかなか解決しません。

手抜きを防ぐには、仕事の目的を明確にし、当事者意識をもたせていくことで、フリーライダーが発生しにくい職場の環境づくりというのも重要になってくるのです。

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