健康情報の常識を疑え! | 薬剤師トピックス

世の中には、これは健康に良いとされているものがあるが、疑ってかかるべきものもあります。
今回はそんな中から代表的な例をいくつかご紹介します。たとえば、牛乳は骨を弱くすると聞いたら、ビックリされる方も多いかと思います。

いったいどういうことなのでしょうか。

牛乳は骨を弱くする

なかなかショッキングなタイトルですよね。

牛乳と言えば、昔から骨を強くするんだからしっかりと飲みなさいなんて言われながら飲まされてきた人もいるのではないでしょうか。

骨を強くする食品として、給食のお供の大定番としてその地位を築いてきました。
そして、カルシウムも豊富に入っています。その牛乳が骨を弱くするというのだから、びっくりぽんです。

牛乳は骨を弱くするというのは、英国の医学雑誌に掲載されたスウェーデンの研究論文で、その論文によると、牛乳の摂取量が多い人は、少ない人に比べて寿命が短く、女性では骨折が増えるとしているのである。

牛乳は多く飲み過ぎるとお腹を壊してしまうこともありますが、このスウェーデンの研究はどう解釈したらよいのだろうか。

スウェーデンの人は、乳製品をよく食べますし、日本人とも代謝が違い人種差というものもあるでしょう。
一概にすぐに日本人にあてはまめてということはできないでしょうが、少なくともこういった論文が英国の医学雑誌に掲載されたということは頭に入れておいても良さそうです。

大豆を食べ過ぎると乳癌になる

大豆と言えば、大豆イソフラボンが豊富に含まれています。
そしてその大豆イソフラボンと言えば、女性ホルモン様の作用があり、子宮癌の抑制にも効果的であるとされ、積極的な摂取を推奨する意見があります。

その一方で、アメリカの研究では、大豆の過剰摂取によって女性の乳癌の発生率が高まるということが言われています。
この研究に対するエビデンスはいかほどのものかわかりませんが、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、体に良いからといって過剰摂取するのも考えものなのかもしれません。

ウコンは肝臓に負担をかける

ウコンと言えば、テレビCMなどでも登場している通り、お酒を飲み過ぎたときに飲むようなイメージがあります。
二日酔いや悪酔いに有効だとして人気も高まっているウコンですが、ウコンには鉄分が多く含まれていて、その鉄分は脂肪肝や肝硬変などの弱った肝臓ではうまく消化できず、鉄分を取り過ぎてしまうことでかえって肝臓に負担がかかってしまい、症状が悪化することもあるというのです。

実際に、ウコンは健康食品・民間薬による肝機能障害の原因物質の25%を占めるとも言われています。

このように、健康や美容をめぐる情報には、ある効果があるという情報の一方、全く効果がないとする情報や、まったく逆の効果があるというような論文があったりすることがあります。
どれが正しい情報なのか、この情報のエビデンスはどうなのかというものをしっかりと見極める目というのも大切です。

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