先が見えない時代こそ大切な風林火山 | 薬剤師トピックス

『風林火山』と聞いて、「あれ? 日本にそんな名前の火山があったっけな? 何県にあるんだろう?」なんていう人はあまりいないでしょう。

冗談はさておき、風林火山といえば、甲斐の戦国大名・武田信玄の旗指物(軍旗)に記されたとされている「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」の通称です。

風林火山と武田信玄

「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」つまり、其の疾(はや)きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如くということです。

これは、『孫子の兵法・軍争篇』の一節に出てくるもので、武田信玄が好んでいた戦略です。

もっとも、孫氏の教えの要は序文の「兵は詭道なり」であって、武田信玄の根本的な外交や戦略の礎は、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」というところにあったのでしょう。

話を『風林火山』に戻すと、その言わんとしているところは、疾風のように進撃したかと思えば、林のように静まりかえって待機し、かと思えば火が一気に燃え広がるように激しく攻めたて、そうかと思えば山のように動かずにいて次の機会を待つということになります。

生存競争の激しい戦国の世を生き抜いていくには、こうした臨機応変な対応が大切になってくるのです。

風林火山のそれぞれの意味

『風』は、迅速な対応で相手を出し抜いていく、いわば短期決戦です。
『林』は、様子をみて静観に徹して力を蓄える時期になります。
『火』は、情報収集などで、ビジネスでいえばキャンペーンを展開したり、エリア拡大を図ったりするようなことになります。
『山』は、守りを固めて長期で対応する計画をじっくり練るということになります。

刻々と移り変わる状況をみて、今は『風』でいくのか、『山』の時期なのか、見極めて臨機応変に対応していくことが、重要になってきます。

状況によって変化できる人が強い

『風林火山』という言葉で思い出すのが、進化論で有名なダーウィンの言葉です。

『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』

最後に生き残るのは、強い者でも、賢い者でもなく、変化できるもの。
つまり臨機応変に対応できもの、周りの状況にあわせて自分を変化させることができるものということで、臨機応変に変化するという『風林火山』の教えと非常に共通した部分があります。

臨機応変に考え、対応できれば、ピンチもチャンスととらえることができたりしますし、そのためには何が必要で、自分はどう変わればいいのかということを知り、改善する方向で動くこともできます。

一つのことに固執せずに、やわらかく考えることも大切なことです。

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