同じことなのに言い方で受け取り方が変わる言葉の心理 | 薬剤師トピックス

世の中には、同じことを言っているのに、受け取られ方が全然違ってくる場合があります。

マーケティングや宣伝広告などはこうした人間の心理を巧みに利用して、いかに利益をあげるかということになるのですが、同じことを言っていても言い方を変えるだけでその後の人間の行動心理に与える影響が変わってくるというのも面白いものです。

ポジティブ表現とネガティブ表現

大抵の人は、どちらかというとポジティブな表現を好みますし、ネガティブなことばかり言っている人は敬遠されがちです。

ネガティブ思考の人というと、悪いイメージですが、ポジティブで楽天的な人は、うまくいったときのことだけしか考えられず、悪い言い方をすればお気楽バカであるのに対し、常に物事の最悪のケースを考えている用心深さがあり、しっかりとリスク管理ができ、危険を察知できる創造力があるとも言えるので、別にネガティブ思考を否定するということではありませんが、広告宣伝やマーケティングの分野では、できればポジティブ思考のほうが良い場合が多いといえるでしょう。

ポジティブなものの言い方とネガティブなものの言い方

よく例にあげられるのが、コップの水が半分入っていた時に、半分も入っているととらえるのか、半分しか入っていないととらえるのかで人間の心理に及ぼす影響が変わってくるというものです。

よく考えればわかるのですが、「この手術の死亡率は10%です」と聞くのと、「この手術の成功率は90%です」と聞くのでは、実際には同じなのですが、「この手術の成功率は90%です」と聞くほうがなんか成功率が高そうに思えたりすることがあります。

 

「この手術の成功率は90%です」と聞くと手術受けようかなと思いますが、「この手術の死亡率は10%です」と聞くと不安が増してしまいます。

ちょっと極端な例をあげてみましたが、人間の心理として、損失を強調されると損失回避に傾く傾向があり、実際にポジティブメッセージよりもネガティブメッセージのほうが行動を促す効果が強いということが証明されているのです。

ドリンクの広告などで、「タウリン 1000mg配合!」というのがありますが、これも「タウリン 1g配合!」と言われるよりも、「1000」という数字につられて、なんかたくさん入っているようなイメージーを感じてしまったりします。

プレゼンなどでも応用できる言葉のマジック

この言葉のマジック、つまり同じことを言っているのに結果を全然違うようにアピールできる方法は、職場のプレゼンでも、商談の資料などでも応用することができます。

「中国の人口は今や14億人にもなっています。」と説明すると、多いというイメージがあります。
もともと中国の人口は多いので当たり前かもしれませんが、次のように言いかえてみるとどうでしょうか。

「世界が100人の村だったとすれば、中国人は2割ほどです」
全体が100という数字を出したのに対して、2という数字を使うことで、意外と少ないじゃんというイメージを植えつけることができるのです。

対人関係にも応用できる

対人関係が苦手な人の中には、思ってことをすぐに口に出してしまうというタイプもいます。
黙っていればいいのにというところをついつい言ってしまいたくなるもので、我慢できればいいのですが、ついつい口に出してしまったために、相手との関係がぎくしゃくしてしまったりします。

例えば、「ずいぶん太っていますよね」というと角が立ちますが、「いや、相当なんというか貫禄がありますね」と言ってみると違ってきます。

取引先の職場を訪問して、「いや騒々しい職場ですね」と言われれば、相手はあまりいい気分しませんが、「活気あふれた職場ですね」といい方を変えれば、相手も悪い気はしないでしょう。

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