この世の中、なんでも金だ! とにかく金だ!
金を積めば、たいていの人間は言う事を聞くもんだ!
拝金主義がはびこる現代社会、ある意味、間違っていない面もあるのかもしれません。
だからこそ、多くの汚職事件などが起きてしまうことからしても否定することはできません。
でも、そうではないというケースはないのでしょうか。
やる気を引き出すものとは
やる気を引き出すのに必要な心の動きは、『動機づけ』と言われます。
社員の生産性を高めるために仕事に対する動機づけを強めて成果を上げようとする企業も多くなってきています。
この動機づけには、『外発的動機づけ』と『内発的動機づけ』があります。
外発的動機づけと内発的動機づけ
外発的動機づけとは、いわゆる報酬を得るとか、懲罰から回避できるといったために行動するというものです。
「よし、優勝賞金のために練習するぞ!」というのは、まさに報酬を得るために行動しているので、これは外発的動機づけによって練習をしていることになります。
ほら、やっぱり報酬、つまりお金を与えれば動機づけになるじゃないかと思った人もいると思いますが、もう少し待ってください。
動機づけは、外発的動機づけだけでなく、内発的動機づけもあるのです。
内発的動機づけとは、物事に対して面白さを感じて行動するというものです。つまり興味や関心ということになります。
「体動かすと気持ちいいよな。もっとスキルを上げて上達して極めてみたいな」というのは、まさに興味や関心によって行動しているので、これは内発的動機づけによって練習していることになります。
この内発的動機づけは、興味や関心からきているので、外的な要因に左右されずに行動が持続するのです。
だからこそ、この内発的動機づけを重要視する企業が増えてきているのです。
報酬与えると逆効果となるアンダーマイニング現象
興味や関心をもってやる気を出しているのに、そこに外的な報酬を当て得てしまうと、過度の正当化となり、その報酬が魅力的であったとしても、内発的動機づけが失われ、やる気を損なってしまうケースもあります。
このような現象を『アンダーマイニング現象』と言います。
絵を描くのが好きな子供たちを次の3つのグループに分けました。
①上手な絵をかけたら賞状をあげる
②何も伝えず絵を描いた後に賞状を渡す
③何も伝えず賞状も渡さない
①のグループの子供たちは、絵を描く時間が大幅に短くなりました。
もう賞状がもらえないなら、頑張って絵を描く必要はないかな・・・となり、賞状という外的報酬によって、絵を描くのが好きという内発的動機づけが損なわれてしまったのです。
報酬というのも考えものというケースもあるのです。