少子化が叫ばれる中、子供の虐待相談対応件数は年々増え続けています。2018年度、児童相談所の相談対応件数をみてみると1年間で16万件にせまる勢いになっています。2015年度は10万件ちょっとで、これでも多いのですが、さらに3年で1.5倍になっています。
これは、児童虐待に関する認識が広まったために、以前に比べて相談数が増えたという部分もあるかと思いますが、いずれにしてもかなり多くなっています。
児童虐待はいつ、誰によって起こるのか
児童虐待といってもその実態はどうなっているのでしょうか。
残念ながら死亡してしまった児童の数は1年で50万人を超えています。
その年齢の内訳をみますと、0歳児が半数以上を占め、ついで1歳児が多くなっています。
児童を虐待してしまった加害者を見ると、実母が半数を超えていて、次いで実父となっています。
子育てのストレスというのが問題になっているものと考えられます。
<参考: 子ども虐待防止 オレンジリボン運動>http://www.orangeribbon.jp/about/child/data.php
4つのタイプの児童虐待
児童虐待は、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つに分類できます。
身体的虐待
平たく言うと、体に対する暴力になります。
殴る・蹴る・叩くといった行為が該当します。
生まれたばかりのわが子を激しく揺さぶる・投げ落とす・やけどを押させる・首を絞める・ヤケドを負わせる・縄などで拘束するなど、とても信じられないような痛ましい事件も起きています。
本当に、なんで産んだんだと言いたくなってしまいます。
性的虐待
子供に対して性的行為をするものです。
性的行為を見せたり、性器を触ったり、触らせたりすることが性的虐待にあたります。
さすがに、児童相談所における自動虐待相談対応の件数をみると、このタイプの虐待は全体の中ではきわめて少ないのですが、あることにはあるのです。
ネグレクト
児童の食事や衣服などの世話を怠り放置する、いわゆる育児放棄にあたります。
家に閉じ込めたり、食事を与えなかったり、ひどく不潔なままにしておいたり、自動車の中に放置したままにしたり、重い病気になっても病衣に連れて行かないなどといったこともネグレクトにあたります。
心理的虐待
言葉による暴力と言われるもので、言葉による脅しをしたり、無視したり、兄弟間での差別的扱いをしたりします。
子供の前で家族に暴力をふるうのも心理的虐待になります。
児童相談所における自動虐待相談対応の件数をみると、虐待のうち半数以上は心理的虐待になっています。
児童虐待と法律
児童虐待は許されることではありませんが、法律も児童虐待防止法という法律があって、虐待を発見したら市区町村か児童相談所に通報しなければならないとされています。
通報は、全国共通ダイヤル189番になっています。
通報すると、管轄する児童相談所に電話がつながるしくみになっています。
普通の人間でしたら、他人の子供のことにいちいち口を出して、余計なトラブルに巻き込まれたくないと考え、見て見ぬふりという場合もあると思います。
しかし、児童虐待の通報は、匿名で行うことができ、もちろん秘密は厳守されます。
通報を受けた市区町村や児童相談所では、虐待から子供を守るべき子育てに悩む家庭を支援していく仕組みになっています。
子供を虐待から守るオレンジリボン運動

子ども虐待防止のシンボルマークとしてオレンジリボンを広めることで、子ども虐待をなくすことを呼びかける市民運動として『オレンジリボン運動』があります。
シンボルマークのオレンジリボンをつけている人は、「子供の味方」という意味だそうです。
運動を通して子どもの虐待の現状を伝えるとともに、多くの人に子ども虐待の問題に関心を持ってもらい市民ネットワークで虐待のない社会を築くことを目標にしています。
<参考>
子ども虐待に、個人の方ででできること(認定特定非営利活動法人 児童虐待防止全国ネットワーク)
https://www.orangeribbon.jp/individuals/
子ども虐待防止 オレンジリボン運動
https://www.orangeribbon.jp/about/orange/