小さな池の大きな魚 | 薬剤師トピックス

『小さな池の大きな魚効果』って何のことだろうと思う人がいると思いますが、察しのいい人、勘が鋭い人は、「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉を連想したかもしれません。

自己の評価はどこからくるの

人は、いろいろな人から評価されていると同時に、自分もいろいろな人を評価しています。

そして、実は自分自身のことも評価していますが、その自己概念や自己評価はどこから来ているのでしょうか。

実は、自己概念や自己評価となると、比較する基準がなければなかなか評価できませんので、そこで他の人との比較が生じてくるのです。

昔は学童でも今は普通の人

よく小学校の頃は学童って呼ばれていたんだけど、中学・高校・大学と進むにつれて、大したことなくなってしまったという人も多くいると思います。

小学校のときは、周りがあまり勉強せず、したがってちょっと勉強しただけでもすぐに成績がジャンプアップしたなんていうことはよくあることです。

そして、小学校のこと勉強を一生延命頑張って、クラスでトップクラスで、中学は進学校へ進んだとなると、そこのクラスメートは同じように勉強してきて、ある程度勉強ができる生徒ばかりになります。

すると、今までトップクラスであっても、今度は周りもトップクラスの人ばかり集まっているので、成績も中の上ぐらいになってしまったりします。

偏差値の高いと言われている学校に通っていて、そこで平均以上の学力があって、大学に入学したら、そのクラスメートはもっと優秀な人達ばかりで、大学の講義についていくのがやっとになってしまうといったケースがでてきます。

小学校や中学校のころは、学童と呼ばれ、自分の学力に自信を持っていたとしても、大学に入り周りが優秀な人たちばかりに囲まれてしまったら、自信を持つどころか劣等感を覚えてしまうこともあるでしょう。

逆のケースもしかりです。

そんな優秀であるわけでなくても、自分よりもはるかに劣るクラスに入ったら、「俺ってすごいじゃん!」と自信を持てるようになったりするものです。

この効果が、まさに『小さな池の大きな魚効果』と呼ばれるものです。

エリート校に進むと自尊心が低くなる

オーストラリアン・カトリック大学が、26カ国から学生を4000人ずつあつめ、自己概念テストと同じ学力テストを実施したところ、エリート校と言われているところの学生ほど、自尊心が低くなるという傾向がみられ、その傾向は実験を実施した26カ国すべてで見られ、まさに『小さないk根の大きな魚効果』が証明された結果になりました。

鶏口となるも、牛後となるなかれということわざもあるくらいで、自尊心が低くなってしまうことを考えると、進学するときは、ギリギリで合格できる学校ではなく、トップで合格できるようなところを選ぶというのも、一つの考え方になってくるのでしょう。

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