相手の自尊心を傷つけ怒り散らすパワハラ上司 | 薬剤師トピックス

部下が指示に従わなかったり、職場の規則に従わなかったり、ミスをしたとき、叱るということがよく行われています。

もちろん、部下があまりにもひどく、故意的に部下が指示に従わなかったり、職場の雰囲気を乱すように従わなかったりしなかったら、きちんと叱らなければいけない場合もあるでしょう。

本来ならば、こうしたことは家庭で躾けられていてしかるべきですが、最近では甘やかされてわがままに育てられ、躾が全然なっていない若者もいます。

しかし、たいていの場合は、まずは諭して言い聞かせれば、改めるものです。

何度も何度も同じことを繰り返したり、全然態度が改まらない場合に、きちんと叱ればよいのです。

怒り散らしている上司側の言い分

周りからみていても、部下を育てるというよりは、怒り散らしているようにしかみえない上司がいます。

こういう上司に言わせると、部下に行動や考えを反省して改めて欲しいから叱っている、大切なことに気づいてほしいから叱っている、部下の将来を思えばこそ叱るべき時には叱らないといけないんだというようなことを言います。

しかし、もし上司側が部下のことを思っているのであれば、しょっちゅう叱るというのは、有効な手段ではありませんし、部下の成長や学びにプラスにはなりません。

逆に職場では、その上司は、叱らずにはいられないやっかい者上司というレッテルを貼られ、孤立してしまうことすらあります。

叱る権力

そもそも、叱るというのは、親が子を叱る、上司が部下を叱る、先生が生徒を叱るというように、叱るという行為は、いつも権力がある側が、権力がない側に対して行われます。

そして、『叱る』という言葉を辞書でみると、「過ちや罪を指摘し批難する。なじる。」とあり、攻撃的な要素を含んでいます。

攻撃的な要素がなければ、『諭す、言い聞かせる』となるわけです。

人が他人を罰する時、脳にはドーパミンという神経物質が分泌されますが、これは快感情をもたらします。

そして相手が思ったような反応を示すと、さらに快感情がもたらされ、『自己効力感』という「自分の行為には影響力がある」・「自分が行動することで良い事が起きた」と思えてしまい、満足感がでてくるようになります。

すると部下を叱るとき、上司は処罰欲求と自己効力感で快楽を感じるようになり、この快楽には依存性があるのです。

それゆえに、しょっちゅう叱るようになり、周囲からは、「あの上司は些細なことでもすぐ厳しく叱る」、「口うるさく器量の小さい上司だ」というレッテルが貼られてしまいます。

叱られる部下

叱られる部下は、ネガティブな感情が起こり、扁桃体が活性化して、恐怖や不安というネガティブな感情が大きくなり、動物の本能として、危険を察知して逃げるか戦うかを選択することになります。

逃げるを選択した部下は、「はい、わかりました。以後気をつけます。」と叱る攻撃から逃れるために、納得していなくても表面上ものわかりがいいような反応をしまします。

自分が叱ったことで部下が成長してくれたなどというのは、上司側の勝手の思い込みにすぎません。

しかもしょっちゅう怒られている部下は、怒られることに慣れてしまい、さらに起こることがエスカレートしていくことにもつながりかねません。

一方、戦うを選んだ部下は、上司が叱ってきたことに対して反発してきます。そのためさらに上司は、コイツにはきつくわからせないととさらにエスカレートしていってしまいます。

いずれにしろ、部下との信頼関係は崩壊し、部下はうつになってしまったり、退職してしまったり、そこまでいかなくても職場の雰囲気はものすごく悪くなってしまうでしょう。

多様性を認め、お互いを尊重していくことが大切なのです。

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