薬剤師に限らず、いろいろな仕事をしているとお客様から質問を受けることがあります。
すぐにわかるような質問であれば、そのまま回答することもできますが、質問が難しかったりする場合があります。
そんな場合、「わかりません」などと言うと、「なんだコイツ、専門家なのにこんなことにも答えられないのか」と不信感を持たれてしまうことにもなりかねません。あげくの果てにには、「もうおまえじゃなくて、別のわかる人間をここに呼んで来い」となってしまいます。
なかなか答えられない2つのタイプの難しい質問
なかなか答えられない難しい質問には2つのたいぷがあります。
1つが質問の意図が理解できないケース、そしてもう1つが質問内容そのものが難しいケースです。
いずれにしろ、なかなか答えられない質問の場合は、まずは相手の質問の内容を確認することが大切です。
そのためには、相手が言ったことをそのまま繰り返すオウム返しが有効です。
「〇〇についてお知りになりたいのですね。」ということで、相手が知りたいことを再確認できまし、行き違いの防止にもなります。
質問の意図が理解できない場合
薬剤師の場合、例えばお客様から「副作用はありませんか?」という質問を受けたとします。
もちろん、その薬の副作用をダラダラと話しても、質問には答えていることになります。
でも、相手の意図を考えることも大切です。なぜお客様はこのような質問をされてきているのだろうか。
そこで「副作用について気になることがあるのですか?」と問いかけをしてみても良いでしょう。
すると、その薬を飲んでから下痢をするようになったというような患者からの情報を得ることもできますし、その薬の副作用すべてについて答える必要もなく、お客様の関心がある下痢という副作用についてのみ答えることができます。
そうすることで、どのぐらいの頻度で下痢が起こるものなのか、なぜ下痢が起こりやすくなるのかといったような深く掘り下げた話まですることもできるのです。
質問そのものが難しい場合
質問の中には、難しいものもありますし、自分のその分野での知識不足のためにうまくすぐに答えられないものもあります。
プロフェッショナルであるのならば、そんなとき「わかりません」という投げやりな回答は避けたいところです。
調べて分かるものであれば、資料を確認してから回答すればいいのです。
もちろん、もっと詳しい人や知識のある人が周りにいれば、その人に代わって回答してもらうという方法もあります。
いずれの場合についても、枕詞として「より正確にお答えするため、資料を確認してからご回答させていただきます」という言い方をしたり、「より正確にご回答したいので、詳しい方がおられますので少々お待ちください」というような言い方をするとよいでしょう。
「わかりませんので調べます」というと、なんだこの薬剤師は知識がないのか?という具合に不信感をもたれてしまい、おいおい本当に大丈夫なのかこの薬剤師で・・・となってしまいます。
「より正確にお答えするために調べます」という言い方だと、不信感ではなく丁寧さが伝わるのです。