ジェネリック医薬品の特長とは | 薬剤師トピックス

笑い話ではないのですが、以前はテレビCMなどで安いお薬というイメージをもった人が、薬局などで、ジェネリックという言葉までは頭に入っておらず「あの高橋英樹さんが宣伝している安い薬をお願いします。」というようなことを言っていたりしました。

今は薬剤師のほうからジェネリックがある旨を伝え、どうするかを決めてもらったりしますが、ジェネリック医薬品とはいったいどのようなものなのでしょうか。

ジェネリック医薬品とは

いろいろと医薬品が開発され、新薬なども出てきますが、医薬品は、開発されてから年月が経つと、特許が切れます。

最初に開発された先発品の特許が切れると、別のメーカーが同じ有効成分で開発した医薬品の承認をとって販売できるようになるわけですが、それがジェネリック医薬品になります。

開発費があまりかからないので、先発医薬品よりも安い価格で提供できるのが最大のメリットになります。

ジェネリック医薬品は、言い換えれば後発医薬品で、先発医薬品と同じ有効成分、含有量、投与経路をもつ医薬品です。

ジェネリックの由来とゾロ

なぜ後発医薬品のことを『ジェネリック』と言うのかというと、一般名で販売されるために、一般の「ジェネリック」をとってジェネリック医薬品と呼ばれます。

後発医薬品は、先発医薬品の特許切れと同時に、数十社がゾロゾロと承認を取って発売することから、『ゾロ』または『ゾロ品』と呼ばれるころもあります。

開発費用が安くてすむジェネリック

先発医薬品は、新規医薬品として承認での審査が大変です。

新規物質の創薬からだいたい10年から15年かかり、もうこの時点で莫大な研究開発費や臨床開発費がかかってしまいます。

承認申請には、膨大な資料を提出する必要が出てきます。

これに対し、ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分であるために、安全性や有効性については、すでに確立されているとみなされるために、承認申請に必要な資料がぐっと減り、規格試験や生物学的同等試験などかなり少なくなります。

従って、ジェネリック医薬品は、多くの場合1~2年で承認されるのです。

ジェネリック医薬品は、このように先発医薬品のように研究開発費や臨床開発費をかけないで済むので、薬価が低く抑えられるのです。

ジェネリックの承認

ジェネリック医薬品の承認には、規格及び試験法(品質の検証)、加速試験(安全性の検証)、生物学的同等性試験(有効性の検証)などのデータを提出して承認審査を受けます。

その結果、先発医薬品と有効性・安全性・品質が同等であるとみなされると、承認されます。

品質が担保されているかどうかについては、規格および試験法で検証され、含量規格・性状・確認試験・示性値・純度試験・公的溶出試験などが行われます。

安定性の担保については、加速試験が行われます。

加速試験は、温度40℃、湿度75%で、販売される包装形のままで試験し、安定性が確認されます。

有効性の担保としては、生物学的同等性試験が行われます。

通常健常人20人ほどに対して、先発品と後発品を常用量投与して、血中濃度の推移を比較検証します。

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