知っていると一目置かれる日本の言葉(胸突き八丁、鶴瓶落とし、昼行灯) | 薬剤師トピックス

言葉は日常使うものですが、日本人でも普段あまり使わない日本語があります。
そして、そういった日本語を正しく使うことができると一目置かれたりします。

そんな言葉の中から、いくつか選んで紹介していこうと思います。

胸突き八丁

東京五輪も行われるということで、最近クールジャパンとして日本への観光が人気になっています。
日本の中でも外国人から人気の観光スポットの一つに富士山があります。

実は、富士山の登山に由来した日本の言葉があります。それが『胸突き八丁』です。

『胸突き八丁』の八丁とは、富士山頂近くの八丁(約872m)のことです。
このあたりに来ると、胸を突かれたように生きが苦しいことを表しています。

つまり、もともと『胸突き八丁』とは富士登山に特化して使われていた言葉なのです。

しかし、それが一般的に普及していきます。
急斜面を昇るつらさを、物事を成し遂げる過程で、一番苦しい正念場ということになぞらえて、「ここが開発の胸突き八丁だから、頑張ろう。あともう一押しだ。」というような形で使われるようになりました。

釣瓶(つるべ)落とし

釣瓶落としとは何かというと、秋の夕暮れにすぐに沈んでしまう夕日の様子を言い表したことがになります。
釣瓶(つるべ)というと、若い人は知らないと思いますが、「朝顔に釣瓶取られてもらい水」などという句もあるように、水をくむために縄の先につけて、井戸の中におろす木製の桶のことを言います。

その釣瓶が滑り落ちるようにまっすぐ井戸へ吸い込まれていく様子を、秋の日が一気にくれる情景とを重ね合わせたところからできた言葉だと考えられています。

「もう夕日も釣瓶落としの季節になりましたね。」というような形で使われます。
つまり、この鶴瓶落としという言葉は、晩秋のごく短い一時期だけに使われる言葉になっています。

昼行灯(ひるあんどん)

「行灯」というと、外国人はもちろん、日本人ですらわからないという人も結構いると思います。

今はLED照明の時代ですが、行灯といえば、昔の照明器具ですので、知らないという人がいても不思議ではありません。
その行灯からきている言葉に『昼行灯』があります。

行灯は照明ですから、明るい真っ昼間には何の役にも立たないことから、『昼行灯』は、ぼんやりして役に立たない人という意味になります。

昼行灯でイメージするのが必殺仕事人の中村主水です。悪人をバッサバッサと切り捨てる剣の達人ですが、嫁入り婿で嫁や母には頭が上がらず、奉行所でも叱られてばかり、まるで昼行灯がぴったりくるのが中村主水です。

また忠臣蔵で有名な大石内蔵助も主君の仇討という大きな目的を隠すために無能な昼行灯を演じていたと言われています。

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