薬は水で飲まないといけないのか | 薬剤師トピックス

薬局やドラッグストアで薬を買うと、「1日3回、1回1錠を朝・昼・晩、食後30分以内にお飲みください。」というような感じで用法・用量が書かれています。

中には、親切に「食後30分以内に、水またはぬるま湯でお飲みください。」と書いてあったりします。

薬を水で飲む理由

薬を飲むのは、通常はコップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲むというのが普通です。
さて、なぜ水またはぬるま湯なのでしょうか?

別に、お茶で飲もうが、珈琲で飲もうが変わりないように思うし、なぜ水とかぬるま湯と限定するのだろうかと思う人もいるでしょう。

大きな理由の一つは、薬は承認申請をして、承認を得て製造許可がおり、製品化されています。
新薬などであれば、多くの臨床試験を行い、そこで有効性や安全性が確認されて薬として認められているのです。
この時、臨床試験を行った医療機関で、薬が服用されてデータが出ているわけですが、このとき薬は水又はぬるま湯で飲まれているのです。
また、薬の溶解試験なども、水やぬるま湯で飲まれたときを想定して、崩壊試験などを行って製剤設計されています。

紅茶や珈琲で薬を飲んだ結果でもなければ、ましてコーラとかで薬を飲んでデータでもありません。
つまり、承認では水で飲んだ場合を想定しているわけです。

お茶や珈琲で薬を飲んではいけないのか

よく鉄剤などは鉄の吸収が妨げられるので、お茶や珈琲などで飲まないようにと言われています。またテトラサイクリン系の抗生物質は、牛乳によって吸収が阻害されてしまうので、牛乳では飲まないようにと言われています。

でも、こうした場合以外だったら、お茶で飲んでも、珈琲で飲んでも同じじゃないの、少なくともたいして変わらないんでしょという人がいます。

牛乳ならともかく、お茶も珈琲もお湯で抽出してるもので、ほとんど水のようなものじゃないかというわけです。
中には、最近の鉄剤は、別にお茶や珈琲で飲んでも、あまり変わらないという人もいます。

結論からいうと、理屈的・理論上はたいした差はないだろうと思われ場合でも、水やぬるま湯で飲める環境であるのであれば、水やぬるま湯で飲むべきでしょう。 

つまり、わざわざ水が飲める環境であるにもかかわらず、わざわざ珈琲や紅茶、コーラーやサイダーなどで飲むなということです。

なぜならば、承認をとるときの臨床試験でみているのは、水で飲んだときのものだからです。
けしてお茶や珈琲で飲んだ結果を想定しているわけではないからです。

どうしても、水やぬるま湯が近くにない場合は、とにかく薬を飲むことが優先ですので、お茶でも珈琲でもしかたないでしょう。
ただし、カフェインが入っていない麦茶などがあれば、麦茶を選択すべきです。

お酒については、もってのほかです。特にかぜ薬や鎮痛剤などをお酒と一緒に飲むと、胃腸障害などの副作用リスクが高まります。

絶対やってはいけない水なしでの薬の服用

「水なしでも飲める」という薬以外は、水なしで薬を飲むことはNGです。

薬を飲むときは、コップ1杯の水で飲むというのは、薬がスムーズに胃の中に入り、小腸から吸収され効果を発揮するために大切なことです。

水が少なかったり、水なしだと、薬が食道粘膜にひっかかり、それが食道粘膜を刺激し、あらし、潰瘍となってしまう可能性もあるからです。

散剤などは、水なしで飲んだ散剤が粉のまま肺に入り、肺炎を起こしたりすることもあります。

薬の服用後は、すぐに横になるな

よく食事をしてすぐに寝るなと言われますが、お薬の場合も同じです。
薬を服用した後は、5~10分は座ったままの状態で、横にならないほうが良いでしょう。
特に、子供や高齢者は注意が必要です。
なぜならば、薬を飲み込む力が弱くなっているので、誤嚥を起こしやすいからです。