薬局の困ったケースの対処法について | 薬剤師トピックス

日本の習慣として、お中元やお歳暮があります。
日頃からお世話になっている人や親しい相手に対して感謝の気持ちとして贈る習慣が古くより習慣化してきています。

これは日本的ビジネス社会の慣行ということで、行われていて、取引先の人たちに感謝の意をこめて贈ったり贈られたりとするようなことがあります。

近隣の薬局からのお中元・お歳暮

もしかしたら、お中元やお歳暮は、責任者や上司がいないときにもってこられたりする時もあります。
このような場合は、対処に困ります。

昔ならいざしらず、最近は虚礼廃止が叫ばれているというご時世もありますが、いまだにお中元やお歳暮は依然習慣として根付いている部分もあります。

日頃からお仕事の上でお付き合いしている人から贈りものをいただくという機会は、どんな仕事でもありうることで、先方の感謝の気持ちの表れでもあり、人間関係の潤滑油としても大きな意味を持っています。

薬局業務運営ガイドラインとお中元・お歳暮の取り扱い

厚生労働省は、1993年に『薬局業務運営ガイドライン』を出していて、そこには次のように記載されています。

「薬局は医療機関に対し処方箋の斡旋の見返りに、方法のいかんを問わず、金銭、物品、便益、労務、供応その他経済上の利益の提供を行ってはならない」

つまり、原則的には受け取らずに断るべきだということになっています。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則とお中元・お歳暮の取り扱い

さらに、『薬局業務運営ガイドライン』の他にも『保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則』の第2条の3に次のような記載があります。

「保険医療機関又は保険医に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの代償として、金品その他の財産上の利益を供与することを行ってはならない」

さらに、医療機関が官効率の場合は、刑法による収賄、受託収賄及び事前収賄などに抵触してくる可能性もでてきます。

薬局からお中元・お歳暮を持ってこられたらどうすればいいのか

お中元やお歳暮を直接持ってこられたら、関係が円滑にいくためにも、まずはお礼を述べます。

そしてお礼を述べるとともに、「このようなものは受け取れないことになっておりますので、お気遣いなさらないでください」というように、失礼のないような言葉を添えて、丁重に断り、受け取ることを控えるのが良いでしょう。

できれば、情報の共有や在庫協力、疑義照会などで日頃からお世話になっているという気持ちをしっかりと伝えると良いでしょう。

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