言わなくちゃわからないよ」、「言葉にしないとダメだよ」などと言われるように、人間のコミュニケーションで重要なパーセントを占めるのが言語です。
しかし、「目は口ほどにものを言う」といった言葉もあるように、人間は言語以外の多くの情報から、相手の気持ちであったり、本心を見抜いたりするものです。
非言語行動
非言語行動(nonverbal behavior)は、人間関係において非常に重要だと言われています。
よく「いいよ、いいよと言いながら、目が笑っていなかった。」などというように、言語では体裁をとりつくろっても、本心を見抜かれてしまったりするものです。
会話によって伝えられる多くの情報は、語られた言葉ではなく、表情やしぐさ、言葉の抑揚といった非言語行動を介して行われることがわかっています。
「バカ!」というのも、その言い方やシチュエーションで全然意味合いが変わってきます。
ツンデレさんが、「あんたなんか大嫌い」というのも、語られた言葉と全く逆の意味になってきます。
非言語行動は、意識的に制御するのが難しく、さらに本人よりも周りの人のほうが気がつきやすいので、語られた言葉よりも真実を伝えていると受け止められるのです。
このため、いろいろとコミュニケーションをとる場合、語る言葉のみならず、非言語行動を意識していくことが大切になってきます。
非言語行動の分類
非言語行動には、動作、パラ言語行動、対人距離、面談の環境、時間などがあります。
動作に関しては、表情や姿勢、目線やジェスチャー、手足のしぐさや首の動きなどがあります。
パラ言語行動とは、言葉の抑揚や声量、流暢さ、言い間違い、沈黙などがあります。
対人距離は、物理的な距離はもちろん、座っている配置などがあります。
面談の環境は、場所や騒音の有無などがあります。
時間は、面談時間などがあります。
信用されない言語と非言語の不一致
例えば、話していて髪をいじったり、時計を見るといったしぐさを頻繁にすると、相手に関心がないんだなと伝わってしまったり、イライラしているんだなっという印象を与えてしまったりします。
また、深刻な悩みを相談してきているのに、明るく笑顔で元気よく応対したりすると、空気が読めない人だし、もう相談したくないなって思わせてしまったりします。
口にしている言葉と、態度に不一致があると、当然相手は不信感を抱いてしまいます。
極端な例を挙げると、まあこんな人はいないと思いますが、椅子に座り足を組み、踏ん反りかえりながら、大変申し訳ありませんなどといったところで、誰もその言葉は信用しないでしょう。
この例からもわかるように、言葉よりも、非言語行動がいかに重要なウェイトを占めているかということがわかります。