みなさんは、数字の「0」をどのように読むでしょうか。
大抵の人は、「ゼロ」か「れい」のどちらかだと思います。
0は何を表す
0は、英語でいうと No です。
つまり、そのものが全く存在しない、無を表しています。
「0」は、その読み方は「ゼロ」か「れい」ですが、「ゼロ」と読むのと「れい」と読むのでは、意味が変わってきてしまうのです。
ゼロ
0を「ゼロ」と呼んだ場合、これは私たちが普段考えているように、無、つまり全く存在しないものという意味になります。
英語の No と同じ感じです。
0というのは特殊な数字で、0の概念はインドが発祥で、それが欧州に伝わり、アラビア数字として誕生したようです。
れい
「れい」は、漢字で書くと「零」になります。
「零」を使った単語を思いだしてみると、「零細企業」というものがあります。
この単語からもわかるように、「れい」は、ゼロというよりも、「ほんの少し」という意味が含まれていて、無であることではないのです。
「零」という漢字をよく見てみると、「雨かんむり」に「令」となっています。
つまりもともとは小雨を意味する漢字でありましたが、その意味がだんだんと崩れていき、「少しだけ」という意味を持つようになっていきました。
天気予報で、「本日の降水確率は0パーセント」というときに、「れいパーセント」と言っています。「ゼロパーセント」とは言っていません。
これお、「れいパーセント」ならば、そこに全く雨が降らないというわけではないというニュアンスが隠されているのです。
小数点以下を表現する場合も、0.005は、「れい点、れいれいご」と言いますが、これも完全に無というのではなく、ほんの少しでも残っているということから、「れい」なのです。
一方でロケット発射や新年を迎えるときのカウントダウンは、スリー、ツー、ワン、ゼロとなりますが、これは数字がカウントダウンされていって、まさに何もなくなった、つまりゼロということになるのです。
No.(ナンバー)の不思議
0という数字についていろいろ解説したので、ついでに数字関係で、ナンバーについても解説してみます。
ナンバーワンと言った場合、「No.1」というような書き方をします。
でも、ここで少し待ってください。
No.は、ナンバーの略と考えると、変なことに気づきます。
ナンバーを英語で書くと、「Number」になります。「N」は出てきますが、「o」はスペルの中にはありません。
「No.」の読み方は、「ヌメロー・サイン」になります。
ヌメローはラテン語で「教える」を意味します。そしてスペルを書くと Numero になります。
No.は、このヌメローの最初のNと、最後のoを取ったもののようです。