スーパーに行くと、99円とか、980円とか、1980円とかいう値札をよく見ます。
どうしてなのかと言われても、そんなの心理的な問題で安く思えると錯覚するからだという答えが返ってきそうですが、具体的に見ていきましょう。
値付けに利用される端数効果
例えば、980円と1000円では、たった20円しか安くありません。
しかし、値札を見た心理としては大台割れの価格としての980円だと、1000円でおつりがくるんだと、ずいぶんと安いという印象を受けてしまいがちです。
これは、行動経済学における『端数効果』を利用したものです。
また、980円と1000円では、桁数も変わってきますので、より安い印象が大きくなってきます。
商品の価格末尾を8にすると、消費者にお得感を与えて購買意欲を刺激するという効果があります。
特に198円、1980円、19800円などは、イチ、キュッ、パと呼ばれ、よく価格設定に用いられたりします。
また、人間は、切りのいい数字を適当に決めた数字だと思い、端数の数字を意味のある数字だと勝手に思い込む傾向があるので、20円しか違わなくても安いと感じてしまったりするのです。
会議遅刻常習者に対しても応用できる
この端数効果と同じようなことで、例えば会議の始まる時間を9:00からとすると、よく5分ぐらい遅れてくる人がいたりします。
そういう時、会議が始まる時間を、8:55とか、8:52とかにして連絡すると良いのです。
すると実際に会議を始める時間が9:00であったとしても、人間はその中途半端な時間に何か重要な意味があるのだと考え、時間厳守率が高くなります。
8:55から9:00の間に、もしかしたら重要な決定事項があるのかもしれないと考えるのです。
シャンパルティエ効果とは
広告においては、『シャンペルティエ効果』というのもよく用いられます。
これは、身近な物に例えることで、心理的錯覚を起こす効果になります。
例えば、栄養ドリンクやサプリなどで、ビタミンC 2000mg配合というよりも、レモン100個分のビタミンCが含まれていますと言った方が、よりビタミンCが多く含まれているような印象を与えることができたりします。
こういった表現をするのは、わかりやすく、イメージしやすく、受け入れやすいというメリットもあります。
「東京ドーム50個分の広さ」というのも、これに該当します。
値段的にも、応用されたりします。
例えば、実際は55%オフなので、素直に「本日55%オフ」と言ってもいいのですが、「本日は40%オフ、さらにレジにて25%オフ」というようにやれば、実際には55%の値引きですが、それ以上に値引きしているように感じさせることができるのです。
1万円のバッグを、4000円で販売する場合、値引き率は60%です。
普通に、「1万円のバッグが本日、60%引き」とやるよりも、「1万円のバッグが本日半額セール、さらにレジで20%割り引きます」とやると、70%割り引かれた気になったりします。
実際には、1万円の半額で5000円、それから20%引きになるので、4000円なので、60%引きと同じなのですが、こうした方法もあります。
ただし、やりすぎると、会計の時に消費者は、騙されたと感じるかもしれませんので、注意が必要だと思います。
逆に、消費者側の立場で考えると、このようにセールなどで2回に分けて値引きしてる場合は、しっかりと計算してみるのもよいかもしれません。