なるほど、そうですねの落し穴 | 薬剤師トピックス

悩んでいる人のカウンセリングというと、まず最初に出てくるといっても過言ではないのが、『聴く』という行為です。

『傾聴』というのは、カウンセリングにおいても非常に重要なことですが、これは意外と簡単そうで難しいものなのです。

簡単ではない傾聴

『傾聴』といっても、話しを黙って聞いてあげればいいんでしょ?と思う人もいますが、そんな簡単なものではありません。

ただ黙って耳を傾けていればいいというものではないのです。

話している側のリズムやテンポを上手く測って、時には相槌を打ちながら、ペースを合わせて調和していくことが大切です。

そして、相槌の後の沈黙には、あなたの異変に気づけなかったという意外さや驚き、そんな大変な思いをしてきたんだねという共感がこもっていることが大切なのです。

そうですね、なるほど

相槌を打つというのであれば、「なるほど」とか「そうですね」は代表的な相槌になります。

しかし、相手の悩みを聴き、共感するというシチュエーションにおいては、少し軽すぎる感じがする言葉なのです。

相手が一生懸命話をして、悩みを打ち分けた後、そこで軽く「そうですね」とか「なるほどね」などと言われても、言葉が軽い感じがしてしまいます。

「そんなにすぐに理解できるものか」と相手に疑念を抱かせてしまうことにもつながりかねません。

人によっては、真剣に受け止めてもらえてない感じがしてしまったりする場合もあります。
「そう・だったのです・か...」と間を置きながら返すほうが、神経に受け止めてもらえた感じがしたりするものです。

もちろん、「なるほど」とか「そうですね」という返事が、真剣に受け止めていないというわけではないと思いますが、相手の受け取り方によっては軽く受け流されているんじゃないかと疑念をもってしまうこともあるということなのです。

こちらが真剣に受け止めているつもりでも、相手にそう思ってもらえなかったら、心を開いたりしてくれないかもしれません。

難しいデリケートな人間関係

職場などでの人間関係は非常にデリケートで、こちらが気を使っていたつもりが、相手を傷つけたり、不要なプレッシャーを与えてしまうというケースが多くあります。

例えば、勤怠に乱れが多くなって生活リズムに問題がありそうな部下がいた場合、「残業もしていないんだし、しっかり気を付けてください。」などと言ってしまうと、相手は自分の言い分も聞かずに頭ごなしにダメ出しのジャッジを下されたと思ってしまったりします。

眠れないとか、朝が特につらい状態などが続いていないか心配ですねというように言うべきかもしれません。

最新情報をチェックしよう!