巣鴨にみるシルバー戦略 | 薬剤師トピックス

日本の65歳以上の高齢者人口の割合は、約30%にものぼっていて、世界最高水準になっています。

さらに2025年には、65歳以上の全人口に占める割合は、3人に1人以上になると言われています。

おばあちゃんの原宿

高齢化社会の中で、高齢者に人気の町となっているのが、「おばあちゃんの原宿」とも言われる巣鴨の地蔵通り商店街です。

毎月の4日、14日、24日の縁日はもちろんのこと、不断でも観光バスでするバー女性が続々とやってきたりもします。

その企業も、人口では数で他の世代を圧倒しているいわゆる団塊の世代も定年となり、その市場規模は大きく、多くの企業がシルバーマーケットを虎視眈々を狙っているとも言われています。

しかし、視点を変えないと、なかなかうまくいかないようです。

巣鴨の地蔵通り商店街に学ぶ

巣鴨の地蔵通り商店街を歩いてみると、多くの店で陳列に使われているのは、使い古した段ボールであったりして、汚いような印象さえ受けたりしますし、床や商店街の通路にはゴミが落ちていたりします。

店もブティックみたいなしゃれた店ではない洋服店や洋品店で、飲食店としてレストランもなければ、しゃれたカフェもなくあるのは古めかしい時代を感じさせる喫茶店です。

売られているものも、モンペを売っていた李、のしいかが売られて居たり、キューピー人形があったりです。

このキーワードは、高齢者が若々しく生き生きとしていた時代への回帰になります。

巣鴨地蔵通りは、高齢者にとって元気になれる場所であり、青春時代に戻れる場所なのかもしれません。

こうなると、高齢者は安心して買い物ができるので、リピートにもつながっていくのです。

新しかったりおしゃれであればいいというものではない

重要なのは、ターゲットとするセグメントが、何を求めているのかなのです。

高齢者は、別に最近の洒落た街並みや、新しいものを求めているのではなく、自分が生き生きといられる雰囲気を求めているのです。

古くてきれいでない、陳列も乱雑、古い段ボール、狭い通路、レトロなBGM、昔売っていたようななつかしい商品こうしたものが、高齢者のハートにささり、さらには実用性第一、低価格、品質へのこだわりといった品ぞろえから、高齢者が安心して買い物ができる土壌がそろっているのです。

巣鴨の地蔵通り商店街を見てみると、看板ひとつとっても、アルファベットやカタカナのものは避けられ、ひらがなや感じが主流で、商店街全体では江戸文字を使用しているといいます。

街灯も明るさを追及するのではなく、明治のガス灯に似せたものが特注され設置されています。

ここにくれば、あの昭和30年代に戻れるのだ、はつらつとした青春時代をもう一度体験することができるといった魅力が、シルバー世代の心をしっかりキャッチしているのかもしれません。

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