戦わずして勝つ | 薬剤師トピックス

戦国の武将は、孫子の兵法を学び参考にしていたものも多くいました。

黒田官兵衛もその一人で、『戦わずして勝つ』というと、戦国武将では黒田官兵衛を連想する人も少なくないと思います。

軍師、黒田官兵衛

黒田官兵衛というと、戦国時代の豊臣秀吉の懐刀として、その軍才を大いに発揮した武将ですが、「黒田官兵衛の戦は、流血が少ない」と言われ、まさに兵法のバイブルと言われる『孫子』の教えをそのまま実践していった武将として有名です。

黒田官兵衛と言えば、豊臣秀吉が備中の毛利軍と対陣している時に、本能寺の変が起こったのですが、悲しみと恐怖で錯乱する秀吉に、天下を盗るチャンスと進言し、中国大返しを実現させた功労者です。

信長なき後、毛利軍と明智に挟み撃ちにされる可能性もあるという絶体絶命のピンチを最高のチャンスに変えたわけです。

戦わずして勝つ極意

また、官兵衛は、あの武田信玄も上杉謙信も成しえなかった小田原城の北条攻めを行い、みごと北条氏に城を明け渡させました。

この時、黒田官兵衛は何をしたかというと、たった一人で刀も持たず、小田原城に乗り込んだとされています。

そして、北条側の面目を保つ交渉を行うことにより、北条氏は降伏し、秀吉の天下統一となりました。

孫子の兵法には、『百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。孫子(謀攻篇)』とあります。

つまり、百戦して百勝するのが最高の勝ち方ではないのです。

たとえ勝ったとしても、多少なりとも兵力を失い、傷つきます。

百回戦って百回勝利を得ることは最高に優れた者ではない。戦わずして敵の兵を屈服させることが最高に優れた者なのです。

平和を目的とし、戦争はやむを得ず行われるものだから、戦闘は極力避けるという黒田官兵衛の考え方こそ、大策士と言われる所以なのかもしれません。

「我、人に媚びず、富貴を望まず」という生き方をした黒田官兵衛は、武将の中の武将だったのかもしれません。

孫子の兵法、戦わずして勝つ

『孫子』と言えば、昔の戦国武将はもとより、その考え方は現代の企業経営や組織運営にも大きく役立てられ、参考にされています。

『孫子の兵法』にある戦い方の前提にあるのが、「戦わずして勝つ」「勝算なきは戦わず」という合理主義になっています。

『孫子の兵法』の大きな特徴として、戦略書であるにもかかわらず、勝つことより、いかに負けないかについて着目しているところだとも言われています。

この考え方は、ビジネスにも応用できます。

戦いにおいて大事なことは、自軍でコントロールができる「守り」を完璧に行うべきであり、敵に勝とうとしても、敵の動きそのものはコントロールできません。

これをビジネスに当てはめて考えてみると、景気やライバルといった自分ではコントロールできないものに左右されない、独自の構造を作っておくなど守りを固めることが勝利への近道ということになります。

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