新オレンジプランとは | 薬剤師トピックス

高齢者の4人に1人が認知症またはその予備群と言われる中、認知症の人は現在よりもさらに増加していくと考えられています。

新オレンジプランの意義

そこで、認知症高齢者などにやさしい地域づくりに向けてということで、新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)というものが作成されています。

認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような環境整備が必要であるという考えから、認知症の人の意思が尊重されて、できる限り住み慣れた地域のより良い環境で、自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すということで、新オレンジプランが作成されています。

この新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)は、厚生労働省が中心となって、認知症の人やその家族など様々な関係者から幅広く意見を聴取し、関連府省庁である内閣官房、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省と共同し策定しています。

新オレンジプランの7つの柱

新オレンジプランでは、次の7つを柱にあげています。

 7つの柱具体内容
認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進社会の理解を深めるキャンペーン、認知症サポーターの養成・支援、学校教育等における認知症の人を含む高齢者への理解推進
認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供本人主体の医療・介護等の徹底、発症予防の推進、早期診断・早期対応のための体制整備、行動・心理症状(BPSD)や身体合併症等への適切な対応、認知症の人の生活を支える介護の提供、人生の最終段階を支える医療・介護等の連携、医療・介護等の有機的な連携の推進
若年性認知症施策の強化若年性認知症の人やその家族に支援のハンドブックを配布、若年性認知症の人の居場所づくり、就労・社会参加等を支援
認知症の人の介護者への支援認知症の人の介護者の負担軽減、介護者たる家族等への支援、介護者の負担軽減や仕事と介護の両立
認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進生活の支援(ソフト面)、生活しやすい環境の整備(ハード面)、就労・社会参加支援、安全確保(見守り体制の整備など)
認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進高品質・高効率なコホートを全国に展開するための研究等を推進、ロボット技術やICT技術を活用した機器等の開発支援・普及促進、ビッグデータを活用して地域全体で認知症予防に取り組むスキームを開発
認知症の人やその家族の視点の重視認知症の人の視点に立って認知症への社会の理解を深めるキャンペーンの実施、初期段階の認知症の人のニーズ把握や生きがい支援、認知症施策の企画・立案や評価への認知症の人やその家族の参画

主な認知症施策

主な認知症施策をあげてみます。

 施策具体内容
認知症ケアパス認知症の人の状態に合わせた適切な医療・介護サービス提供の流れを示します。
認知症疾患医療センター認知症疾患に関する識別診断と初期対応、急性期医療に関する対応、専門医療相談などの実施、医療・介護関係者への研修の実施などを行います。
認知症初期集中支援チーム認知症やその家族を複数の専門家が訪問し、初期の支援を包括的・集中的に行います。
オレンジカフェ(認知症カフェ)認知症の人やその家族の憩いの場づくりの役割を果たします。
SOSネットワーク認知症の人が行方不明になったときに、捜査協力して速やかに見つけるしくみづくり
若年性認知症支援コーディネーター若年性認知症の理解・啓発などを図っていきます。
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