防犯カメラの映像とその応用 | 薬剤師トピックス

防犯カメラの映像は、犯人の割り出しに大きな役割を果たしていて、もはや現在では、科学捜査の主役は防犯カメラの画像解析になりつつあるとまで言われています。

街中には、いろいろなところに防犯カメラや監視カメラが設置されています。

しかし、そのカメラの性能はまちまちで、中には画質が粗く不鮮明な画像もあります。

ベクター画像とラスター画像

ペイントソフトで絵を描いたとき、それを拡大していくと、モザイクがかかったように四角いピクセルというマス目が並んだようにな状態になります。

ベジェ曲線などで書いたベクター画像は、拡大しても線と線の境目は明瞭ですが、Jpgやbmp、gifなどで保存されたファイルは、ラスター形式で、拡大するとぼやけてしまいます。

ベクター画像の場合は、コントロール・ポイントと呼ばれる点があって、それをベジェ曲線という曲線でつないでいて、曲線の曲率は数式によって定義されているため、画像を大きくしてもそのまま拡大されます。

従って、看板や名刺などを作ったり、会社のロゴをつくる場合は、このベクター画像が使われます。

一方で、微妙な色のグレデーションは出せませんので、写真編集などには向いていません。

ラスター画像は、モザイクのような小さなパーツであるピクセル(画素)からできていて、その解像度が高ければ高いほど、単位面積当たりの画素数は多くなります。

つまり画像を拡大してもある程度までは鮮明になっています。

通常の防犯カメラで撮影した画像は、コントロール・ポイントと呼ばれる点から作られているわけではないので、ラスター画像として保存されます。

画像の解像度が低くても先鋭化

解像度が高い、画素数が多い防犯カメラの映像であれば、鮮明に犯人の顔が映っていたりしますが、解像度が低いカメラの画像だと、顔を拡大したとき、モザイクがかかったようにピクセルが並んだ状態になるので、顔立ちが認識できません。

そこで、近接化処理というものが行われます。

近接化処理とはどういうことをやるのかというと、ガウス分散処理とも言われ、マス目とマス目の境界をぼかしていき、輪郭や目鼻立ちがわかってきます。

そうしたら、色と色の境界部分をより際立たせるために、コントラスト調整やγ補正、露出補正などの先鋭化処理を行い、平坦だった画像を立体感のある自然な画像にしていくことで、ある程度人相が判別できるようにしていくのです。

しかし、この近接化処理だけでは、なかなか犯人とは特定できないことから、被疑者の顔写真を別途撮影し、照合していく照合処置を行っていきます。

特定のために3D画像を作る

防犯カメラと同じ角度の被疑者の写真を用意して、その被疑者の写真から3Dの顔画像を作成していきます。

これには、顔の特徴点、つまり顔の解剖学区的な特徴で、眼窩部、鼻部、頬部、眼窩下部、耳下線、頬骨部、口部、頤部の8カ所について、それぞれ細分化され行われます。

顔にある特徴点の256カ所を三角測量の容量で計測して、位置関係を割り出し、顔の3D画像を作成し、その3D画像が、鮮明化した防犯カメラの映像と重ねて、顔の特徴点が矛盾なく整合するかの検証をして特定していきます。

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