むくみ(浮腫)は、細胞の間に水分が漏れ出て溜まってしまうことによって起こります。
立ったままでいたり、ずっと座っていたりと、同じ姿勢が長く続くと足がパンパンになったり、靴がキツくなってしまったりします。
足には、大腿静脈、大伏在静脈、膝窩静脈、小伏在静脈といった静脈が通っています。
立ったまま・座ったままだと足がむくむ理由
足の静脈は、重力に逆らって血液を心臓に戻さなければならないために、弁がついています。そしてこの弁の働きを助けているのが、足の静脈の周りにある筋肉で、ちょうど血液を送り出す筋ポンプのような働きをしています。
しかし、同じ姿勢が続くことにより、この筋ポンプとしての働きが低下してしまい、静脈の血液の流れが悪くなってしまいます。
すると静脈内に血液がたまり、水分が漏れ出てしまい、足がむくんでしまうのです。
立ったまま・座ったままだけでないむくみの原因
むくみの原因は、立ったまま・座ったままでいることだけが原因ではありません。
腎障害や肝障害があっても足がむくんだりします。
これは、血液中にあるタンパク質であるアルブミンと深い関係があります。
腎障害があると、アルブミンが尿から出て行ってしまうので、アルブミンが不足します。
また、肝障害があると、アルブミンは肝臓で作られることから、肝臓で十分なアルブミンが作られる、アルブミンが不足してしまいます。
血液中のアルブミンの量が少なくなってくると、血液のアルブミン濃度を保つために、調整されます。
どうやって調整するのかというと、水分が血管の外に出ることで、相対的にアルブミンの濃度が調整されます。
血管の外に出た水分は、周りの細胞の間に漏れ出ていくために、むくんでしまうのです。
立ったままや座ったままといったことが原因によって起こるむくみは、一晩休めば回復しますが、腎障害や肝障害からきているむくみは、一晩休んだぐらいでは回復しません。
もし、一晩休んだくらいで回復しないむくみの場合は、内臓に原因がある可能性もあるので、専門的な診断や治療が必要になることもあります。
ダイエットで絶食したのにむくんでしまうのは
体を細くしようとダイエットのために絶食したのに、逆に体がむくんでしまったという経験をもつ人もいると思います。
これは、無理なダイエットをしようと絶食などをしたために、アルブミンの摂取量も減ってしまったことに関係があります。
栄養不足によりアルブミンが不足してくると、腎障害や肝障害のときと同じように、血液中のアルブミンの量を調整しようとします。
すると同じように、血管から水分が漏れ出て、むくみが起きてくるのです。