膨大な量の勉強をしなければならないとき、その量の多さに愕然としてしまうことがあると思います。
受験勉強や資格試験など、大量の知識を詰め込まなければならないとき、何か良い薬はないかなと考えても、もちろん、そんな都合の良いものはありません。
分解して考える
Roma was not built in a day.
ローマは1日にしてならず
このことわざの通り、膨大な量の勉強をたった一夜にして頭に叩き込んでしまうなんていう都合のよい方法はありません。
よほど超人的な記憶力の持ち主であれば可能化もしれませんが、普通に考えて無理です。
無理などころか、その膨大な量に困難さだけがつのってきてしまいます。
そんな時に有効なのが、『分解』です。
学習すべき対象を「分解」して考えると、かなり困難に思えていたものも、これならこなせるという感じになってきます。
このように、学習すべき内容を分解して考える方法は、『分解法』と呼ばれています。
ローマだって、たしかに1日じゃできませんが、長い年月をかけて、あれだけの大都市になったわけです。
分厚い参考書も分解法で
目の前に、資格試験の参考書があって、それが500ページもあったとします。
その参考書の分厚さを見ただけで「あーこんなの覚えられるわけないだろう」と思うかもしれません。
しかし、これは一気に覚えようとするから難しく感じるのです。
たとえば、1日5ページやろうと決めれば、500ページの参考書であれば100日で一通り終えることができます。
もし1日10ページやれば、50日で一通り終えることができます。
1日5ページ、1日10ページであれば、なんとか覚えられるような気がしてくることでしょう。
なんだ、たった5ページや10ページやっても、たいしたことないじゃないかと思うかもしれませんが、膨大な学習量にひるんで何もしなければ、いつまでたってもゼロのままです。
1日1/100でも、一週間たてば7/100に前進しているのです。
分解法の思わぬ効果
学習が進んで、少しずつ積み重なれていき、半分程度まで進んでくると、残り半分のマスタースピードはどんどん加速していきます。
半分程度まで進んでくるころには、勉強のコツもつかめ、実力もついてきているので、学習の作業効率も格段とアップしているのです。
そのころになると、はじめたときの膨大な量が、なんだもうあと半分しかないのかと思えるぐらいになっているのです。
勉強するときは、膨大な範囲に尻込みするのではなく、それを分解法により分解し、計画をたててどう攻略していくかがカギとなってきます。
戦国時代、少数の兵で大量の兵を破る戦術として、山道で仕掛けるという方法があります。
広い平原だとそのまま兵の数の差がでてしまいますが、山道だとどんなに相手が大軍であろうとも、狭い山道を進んでこれるのは一人ずつ。
そこならば、少数の兵でも勝機があるというものです。
どんなに大きなものでも、分解して小さくすれば、突破できるという良い例かもしれません。