記憶術で利用される「ロクス」とは | 賢脳トピックス

記憶術に関連が深い言葉「ロクス」ですが、たぶん聞いたこともないという人がほとんどかと思います。

わからない言葉が出てきたら、まずは google 先生とばかりに、google で「ロクス」を検索してみると次のようにでてきます。

「ロクス」はググってもすぐには出てこない

ロクス[Rochus]:キリスト教の聖人で、フランスのモンベリエ生まれ。
ローマへ巡礼途中にイタリアで多くのペスト患者を看護したことから、伝染病の守護聖人とされている。

どうも記憶術とは全然関係ないようです。

また、次のような記載もありました。

PSの乙女ゲーム『フェイバリットディア 純白の預言者』登場人物。
三浦建太郎のコミック作品『ベルセルク』の登場人物。

どうも、なおさら記憶術とは無関係なにおいがします。

実は、『ロクス』とは、これらとは全く無関係です。

「ロクス」にまつわるエピソード

記憶術の話をするときによく出てくるのが古代ギリシャ時代の話です。

古代ギリシャでは、弁論家たちが演説するときに、演説内容をパルテノン神殿の柱に紐づけしていたと言われています。

実際に、記憶術の歴史を総合的に解説している『記憶術全史ムネモシュネの饗宴』によると、記憶術を使って弁論家たちが演説内容を記憶するとき、演説内容と紐づけされていたパルテノン神殿の柱、つまり記憶に使った場所である記憶の場が『ロクス』と呼ばれるものです。

つまり、『ロクス』とは記憶の場であり、多くのことを記憶するときにその記憶をしまっておく場所になります。

「ロクス」を使った簡単記憶術

「ロクス」という言葉の定義だけ聞いても、ピンとこないと思いますので、事例を1つあげてみたいと思います。

例えば、買い物に行くとき、買ってくるものを頭に入れておこうとします。
そんなもんメモしていけばいいじゃないかと思うかもしれませんが、まあここは頭の体操ということでメモせず頭に記憶していくとします。

買ってくるものは次の5つ
リンゴ、バナナ、じゃがいも、大根、しいたけ

こうしたとき、自分の右手の親指を1、人差し指を2、中指を3、薬指を4、小指を5として、場所を決めます。
これが、パルテノン神殿の柱と同じ記憶の場、つまり覚える内容と結びつける場所になります。

そして、次のように結びつけてイメージしていきます。

1.親指をリンゴの中にいれている
2.人差し指にバナナを差し込む
3.中指の上でじゃがいもをコロコロころがす
4.薬指に金具をつけて大根をする
5.小指からしいたけが生えてきている

さて、2番目は何だったでしょう?となったときに
2番目は人差し指という「ロクス」(記憶の場)を用意しました。
なので、人差し指と結びついているもの、そうだ人差し指はバナナを差し込んでいるんだよな。だから2番目はバナナだ!
となるわけです。

この指など、パルテノン神殿の柱にかわるいろいろな「ロクス」を持っておくと、特に何番目は何?と聞かれるようなものを記憶したり、記憶忘れがないようにしたい場合に有効です。

今回の事例では、たまたま自分の右手の指を「ロクス」としましたが、自分の体でも、家から学校や会社へ行く途中のポイントスポットとか、家の中のものとかに、ナンバーリングして「ロクス」をいろいろと作っておくと、いざ記憶しようとするときに非常に便利になります。

試験などで大量のことを覚えなければならない場合などでは、この「ロクス」をたくさん保持していると、記憶していくのに有利になります。

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