恋をすると頭が良くなるって本当? | 賢脳トピックス

昔から『恋愛の魔力』という言葉があります。
平たく言えば、「愛さえあれば何でもできる」ということです。
まあ、そんなことはありませんし、こんな夢物語みたいなことを思っているのは10代後半までだと思ってしまいます。

それじゃ『恋愛』っていったい何なんだということで辞書をひいてみると次のように書いてありました。
『恋愛は、損得ぬきで相手に尽くそうとする気持ち』

『恋愛』に関しては、いろいろな曲や小説のテーマにもなっていますし、特に若い人にとっては関心が高いことかもしれません。

恋をすると頭がよくなるのか

さて、賢脳ということで本題にはいっていくと、『恋をすると頭が良くなる』と言われたりします。
本当なのでしょうか。
「恋をして頭が良くなるんだったら、俺は学校を首席で卒業してるはずだよ」
「恋して頭良くなるんだったら、勉強しないでデートばかりしてるよ」
なんていう人も出てきそうです。

もちろん、勉強もしないで頭が良くなりたいなんて都合の良い話などありませんが、カリフォルニア大学のグラフトン氏という心理学者は、『恋が脳の処理能力をアップさえる』というような実験を行っています。

恋で脳の処理能力がアップした実験とは

恋が脳の処理能力をアップあせるかどうかの実験は、次のような形で行われました。
20歳前後の女性36人を集めて、画面に単語を、1000分の26秒というスピードで表示させ、その単語が英語かどうかを見分けてもらうという実験が行われました。
この単語表示のスピードは、サブリミナル刺激のレベルと言われています。

実際にこのようなスピードで表示されると、何も表示されたようには感じられません。
実験は、いつ単語が表示されるかは、合図によって知らせておき、合図があったら、それが英語だったかどうかを判断し、手元のボタンで報告するという形で行われました。

意識に上がらない刺激であり、正答率は高くなかったのですが、恋の力を証明する興味深い結果が得られたのです。

侮れない恋の力

実は、この実験では単語を表示する直前にその女性が恋している男性の名前を1000分の26秒だけ表示したのです。
もちろん女性たちは、一瞬のことで恋人の名前が表示されたことには気づきません。

それにも関わらず、単語判断に要する時間が0.03秒ほど速くなりました。
0.03秒というとごくわずかで、誤差の範囲じゃないと思うかもしれませんが、統計学的にはきちんと有意差になっているのです。

恋人の名前が画面にサブリミナル表示されたとき、紡錘状回、角回などの大脳皮質領域、さらにはやる気やモチベーションにも深くかかわる脳深部が活性化し、これは愛情が強いほど強く活性化するという結果になっていました。

残念ながら、恋をすることで学業成績が上がるというようなことは証明されていませんが、恋が頭の働きをよくするということは言えるようです。

ちなみに友人の名前のときには効果がなかったようです。

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