人間の脳は億万長者になっても幸せは感じない | 賢脳トピックス

億万長者の人というと、あまり働きもしないで贅沢な豪邸に住み、年中南の島の青い海でバカンスを楽しんでいるといったイメージを持っている人もいると思いますし、そんな生活に憧れているという人もいるかもしれません。

果たしてそうなのでしょうか。

億万長者でも幸せと感じない人間の性

嫌な仕事もせず、一日中遊んで暮らしている億万長者をみて、うらやましいと思う人もいると思いますが、実際のところどうなのでしょうか。

億万長者でもない奴に億万長者のことなんか語れるのかよ! とか、そんなの億万長者の勝手でしょ! とか、どうせ億万長者になんかなれっこないんだから関係ないよ! なんて声も聞こえてきそうですが、現在わかっている一般論で想像してみようかと思います。

お金があまりないから、買いたいものも我慢し、欲しいものもあきらめてなど、そういう一般人からすると、お金が十分にあり使い放題の億万長者はうらやましく思え、また幸せなんだろうなと思ってしまうのは仕方がないことでしょう。

スペインの哲学者であるホセ・オルテガ・イ・ガセットは、次のように語っています。

「人間の人生とは本来、何かに打ち込まずにはいられないものだ」

打ち込む対象として、安らぎを得ることに勝価値のあるものはないというのです。

所得は増えても幸せ度はあがらない

所得は増えても幸せ度は変わらないということを示した3つの研究結果があります。

この研究結果を踏まえて、とても興味ある実験が行われているのですが、とりあえずはまず、その3つの研究結果についてご紹介します。

1つ目は、億万長者と中産階級の幸せ度はわずかしか違いがないということ

2つ目は、比較的貧しかったアイルランド人(研究が行われた時点)のほうが、金銭的にはるかに豊かであった日本人よりも高い幸せ度を示した。

3つ目
は、アメリカでは1960年代から1990年代にかけて取得が倍増したのに、自分は幸せだと答えた人の割合は30%のまま横ばいだった。

この3つの研究結果を説明した上で、とあるワークショップで「願い事」という簡単なエクササイズが行われました。

そのワークショップでは、参加者に魔法のランプを見つけた場面を想像してもらい、そのランプから登場した魔神が3つの願い事を叶えてくれると想像します。

この時、圧倒的に多数の人が物理的なものを望み、ほとんど真っ先に挙げられるのがお金でした。

幸せにとってお金よりも大切なもの

虹のふもとに置かれた金貨のつまった壷にばかり目が向いているかぎり、虹は手に入りません。

人間は、幸せのために何よりも大きな効果があるものをわかっています。

それは心の安らぎが続くことです。

しかし、先ほどの実験でも、ほとんどの人が物理的なもの、特にお金に走りがちで、心の安らぎが続きますようにと願う人は滅多にいなかったようです。

お金儲けばかり考えている人や億万長者は、物質的な成功ばかり追い求めているような人生になってしまいます。

そんな人生では、何か大切なものが欠けているという気持ちをどうしても拭い去ることができません。

人間に本当に足らないのは、安らぎと喜びの経験と、それによって得られる深い絆であるということを、人間は本能的にはわかっているのです。

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