全否定か部分否定か曖昧な英文 | 賢脳トピックス

英語は、比較的時制や単数・複数などもしっかりした言語で、それゆえに世界の公用語となっているという部分もありますが、それでも意味を取るときに日本語と同じように曖昧になってしまうことがあります。

後ろに副詞がある否定文は曖昧になりやすい

英文で、全否定なのか部分否定なのかによって意味が微妙に違ってくる場合がありますが、特に副詞・副詞句・副詞節が後ろにある否定文は、全否定なのか部分否定なのか曖昧になりやすい傾向があります。

「私は昨夜9時まで勉強しなかった」という日本文を英文に訳すと
I didn't study until 9 p.m. last night.
となりますが、よく見ると、日本文も英文も2つの意味に取れます。

私は昨夜は9時までずっと勉強したわけではない (部分否定)
私は昨夜は9時になって勉強を始めた (全否定)

これは、「until 9 p.m. 」が、study を修飾し、それが not で否定されている部分否定なのか、「until 9 p.m. 」が、not study を修飾している全否定なのか、判断できないためです。

もちろん、
私は昨夜は勉強したが、9時までやったわけではない(部分否定)
I studied last night, but not until 9 p.m.
私は昨夜は9時までは勉強しなかった(全否定)
Until 9 p.m. last night, I didn't study.
と、はっきり意味がわかるような英文は作れます。

曖昧さをなくすためには、副詞・副詞句・副詞節を前に持ってくるという方法があります。
until 句を前に持ってくることで、「9時になって勉強を始めた」という意味にしかとれなくなります。

曖昧な「前置詞 + no + 名詞」

『前置詞 + no + 名詞』の形も、部分否定と全否定の両方の意味をもつ曖昧な言い方になります。

Ken is happy with no jobs.
ケンは仕事がないことに幸福を感じている(部分否定)
ケンはどの仕事にも幸福を感じていない(全否定)

これも、

これを紛らわしくしないためには、
Ken is happy without any jobs.
ケンは仕事がないことに幸福を感じている
Ken is not happy with any jobs.
ケンはどの仕事にも幸福を感じていない

とする必要があります。

曖昧でない「前置詞 + no + 名詞」

『前置詞 + no + 名詞』の形がすべて曖昧かというと違います。

Sam will come to the party in no time.
サムはまもなくパーティに来るだろう。(部分否定)
Sam will come to the party at no time.
さむは、どんなときもパーティに来ない。(全否定)

違っているのは in と at の前置詞だけですが、前置詞の違いにより、部分否定か全否定かがはっきりしてきます。

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