認知症予防に効果的なコグニサイズとは | 賢脳トピックス

『コグニサイズ』は、認知症予防を目的とした運動で、国立長寿医療研究センターが開発し、現在では多くの高齢者施設などでも取り入れられていて、脳に効き、神経細胞や脳のネットワークが増えるとも言われています。

コグニサイズって何?

『コグニサイズ』は、英語のcognition (認知) exercise (運動) を組み合わせて作られた造語で、cognicise(コグニサイズ)は、認知症予防のために国立長寿医療研究センターが開発した運動のことです。

どういったものかというと、軽い運動をしながら頭で計算をしたりしりとりをしたりします。

コグニサイズを行うことで、運動で体の健康が促進されると同時に、脳の活動も活発にすることができるため、認知症の発症を遅延させることができることにあります。

ポイントとしては、運動は全身を使った中強度程度の負荷のものを行います。

目安としては、軽く息がはずむ程度、脈拍が上昇してくる運動です。

そして、運動と同時に、計算やしりとりといった認知課題を行うわけですが、あまり簡単な問題ではなく、運動の方法や認知課題自体をたまに間違えてしまう程度の負荷がかかるようなレベルの認知課題を行います。

『コグニサイズ』で勘違いしやすいのがその目的で、目的はコグニサイズの課題自体がうまくなることではありません。

逆に、課題がうまくできるということは、脳への負担が少ないとも言えますので、うまくできるようになったら、むしろ課題に慣れているということになるので、どんどんと創意工夫して内容を課題内容を変えていくことが大切です。

コグニサイズは、運動の種類によって、コグニステップ、コグニダンス、コグニウォーキング、コグニバイクなどいろいろな言われ方をしたりもします。

代表的なコグニサイズ

代表的でシンプルなコグニサイズは、一定のリズムで足踏みをしながら、声に出して歩数を数え、3の倍数になったときに手を叩くというようなものがあります。

コグニサイズは、うまくできることよりも、いかに脳に適当な負荷をかけられるかが大切なので、課題に慣れてしまってうまくできるようになった場合は、脳に負荷がかかっていない可能性もあるので、課題を少し変えてバリエーションをつけて行うことが効果的です。

例えば、3の倍数になったときに手を1回、5の倍数になったときには手を2回(15の倍数も2回)といったように課題の内容を少し複雑にしていくのも良いでしょう。

実際に、国立長寿医療研究センターで65歳以上の軽度認知障害の人達にコグニサイズを行ったところ、8割の人に記憶力の向上効果が認められたことが報告されています。

行う時間は、1回10分ほどで十分です。

コグニサイズが認知症に良い理由

コグニサイズは、有酸素運動を行いながら、脳を活発に活動させるものですが、もともと有酸素運動は脳の機能を維持するのに有効とされてきました。

1日30分有酸素運動を行うことで、新鮮な酸素を取り込んだ血液が脳に送り込まれ、そこで認知症の原因物質のアミロイドβの脳内蓄積が減り、BDNF( 脳由来神経栄養因子)と呼ばれる神経細胞の成長や再生を促す蛋白質が生成されます。

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