頭の良し悪しは遺伝で決まってしまうのか | 賢脳トピックス

頭の良し悪しというのは、遺伝できまってしまうものなのでしょうか。

もし、遺伝で決まってしまうというのならば、努力しても無駄だしと思うかもしれませんし、できれば遺伝ではなくその後の努力で決まるものであってほしいと思うかもしれません。

研究では頭の良し悪しに関係がある遺伝子はある

結論からいうと、頭の良し悪しと関係がある遺伝子はありますが、数は少なく、まだ研究段階と言えるでしょう。

これは、一言で頭の良し悪しといっても、いろいろな能力があるわけですし、その調べ方もいろいろあって難しいところもあります。

国際チーム(SSGAC)による研究では、3つのSNPであるrs9320913、rs11584700、rs4851266が関係しているのではないかと言われています。

言語性IQって何?

deCODE Genetics社は、学力に関係があるとされているSNPと認知力との関係を調べています。

頭の良し悪しを調べるにあたって、『言語性IQ』というものがあります。

テストは、病院などでも行われているウェクスラー式知能検査によって行っています、

16歳から90歳を対象としたウェクスラー式知能検査(WAIS‐Ⅳ)は、言語性IQ動作性IQがあります。

『言語性IQ』は、知識や言葉の理解から、耳で聴く情報を理解する等、言語にまつわる能力で、『言語理解(VCI)』『ワーキングメモリー(WMI)・作動記憶』に分けられ、主に言語を使った思考力や表現力の知能指数を指し、記憶力を試したり、単語を提示されたときその意味を答えるといった語彙問題などが出題されます。

『言語理解(VCI)』は、言語理解能力、言語情報に基づく思考力や推理力、一般的知識、長期記憶などに関する内容になります。

『ワーキングメモリー(WMI)・作動記憶』は、聴覚的短期記憶、注意力や集中力、聴覚的作動記憶、計算力等に関する内容になります。

『動作性IQ』は、目に見える情報をすぐに理解・記憶したり、手や足を動かすこと、感覚や運動に関する能力になり、『知覚推理(PRI)』『処理速度(PSI)』に分けられ、図形の法則を推理する問題など、視覚情報を扱ったテストなどが行われます。

『知覚推理(PRI)』は、視覚的な長期記憶、非言語的な情報処理、抽象的な推理力等に関連した内容になります。

『処理速度(PSI)』は、視覚的短期記憶、しあっく的な情報処理速度、事務作業能力、目と手の協応運動、同時処理能力等に関連した内容になります。

言語性IQと遺伝子

言語性IQと遺伝子の研究では、rs4851266というSNPに「T」を持っているほど、「ウェクスラー成人知能検査」における言語性IQのスコアが高い傾向があるとわかりました。

TTの遺伝型の人は、言語性IQが高く、CCの遺伝型の人は言語性IQが高くなく、TCの遺伝型の人は、その中間で言語性IQがそれほど高くない傾向があるという結果になっています。

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