人間の脳の弱みである記憶の干渉をどう克服するか | 賢脳

人工知能(AI)の進歩には目を見張るものがあります。

チェスの世界でプロを負かすと、チェスよりもマス目も多く、取った駒も貼れるという複雑なルールをもつ将棋においても、AI将棋はプロを破る時代になってしまった。

自分が多くの棋譜を勉強し、学び覚え、そしてプロ棋士としての経験を長年積んできたのに、人間が開発されたAIに負けるとは・・・

 

ある意味、プロ棋士受難の時代とも言えるのかもしれません。

どうせ、たとえAIに勝利したとしても、AIはその棋譜を記憶して、何千・何万・何億・何兆もの暗記している棋譜の中から、瞬時に最適な手を選択してくるのでしょう。

 

さらに、マス目をものすごく多く、大局観が要求される囲碁の世界においても、AIが人間に勝利を収める時代になってしまいました。

記憶の干渉とは

一昔前のコンピューターでは、人間がプログラムした通りのことは正確にかつスピーディーにできましたが、似たようなものも見つけ出すということはできませんでした。

これに対し、人間の脳は、ある程度似たようなものを瞬時に同類のもの、似たようなグループのものというように判断することができます。

これは優れた能力なのですが、かえってこのシステムが記憶にとってマイナスに働いてしまうケースがあります。

よく言われるのが『記憶の干渉』です。

これは、覚えた記憶の中に類似した記憶がある場合、その類似した記憶がお互いに妨げ合い、正しい記憶が表面に出てくるのを邪魔するという現象です。

このような記憶の干渉が起こるのは、似たように思われる記憶同士が、脳の神経回路上においても類似性をもっているためではないかといわれています。

似たようなヨーロッパの言語、例えばスペイン語とポルトガル語を学習していると、一方の単語がもう一方の言語の領域に“侵略”するような感覚をうける場合があると言われていますが、これは、人間が物を覚えていく過程において習得した情報を分類したり、グループ化したりして、前に進んでいるのではないかとされています。

受験や資格試験には邪魔な記憶の干渉

とはいえ、受験や資格試験において、似たような事項を間違えなく覚えなくてはいけない場面も多くあると思います。
似たようなものがあるがゆえに、ええと、あれはA’だったのかA’’だったのかと迷うことになってしまい、結局は間違えてしまったりするのです。

明らかに違うAとBというものであれば、間違いようがなくても、似たようなA’とA’’だと記憶が曖昧になり、どっちだったのだろうということになってしまうのです。

記憶の干渉を防ぐには、相違点を強調しアピール

似たような事柄を覚えるとき、記憶の干渉が起こりそうなときは、その違いをアピールすることで、記憶の干渉を防ぐことができます。

例えば、dessert(デザート)とdesert(砂漠)は、お互いスペルが似ていて間違いやすいし覚えにくいと言えるでしょう。
両者のスペルをみると、その違いは、dessert(デザート)はsが2つなのに対し、desert(砂漠)はsが1つという点です。

つまり、デザートはsが1つ、砂漠はsが2つというポイントをしっかり頭に入れることが、覚え間違いをなくす方法になります。

例えば、さらに、デザートはSサイズのメロンを1個、砂漠でスス(SS)だらけ!
といったような感じで、dessert(デザート)はsが2つなのに対し、desert(砂漠)はsが1つということをアピールしつつ、覚えやすくして覚えていくとよいでしょう。

なんでも、記憶は覚える段階での工夫が大切です。

いかに覚えやすい形、忘れにくい形にするかというのも、頭の使いどころですし、またそういったことを考えてみるのも面白いのではないでしょうか。