休みになるとお買い物なんていう人も多いかと思いますが、デパートやスーパーに行ったり、駅に行ったりするとエスカレーターがあります。
エスカレーター、いわゆる自動で動く階段みたいなものですが、急いでいるということでもなければ、そのままエスカレーターに乗って、その中を歩くことなく次の階に行きます。
実はこのエスカレーターは、営業やビジネスと深い関係があるのです。
とは言っても、エスカレーターに乗れば営業成績がアップするとか、エスカレーターを使わなければ商売”あがったり(エスカレーターだけに)”なんていうことはありません。
では、エスカレーターはどう関係してくるのでしょうか?
エスカレーター効果とは
しかし、何らかの事情でエスカレーターが停止していたとき、停止しているエスカレーターを昇ったりしたことはないでしょうか。
そのとき、何か急に足が重くなったような感覚を味あったという経験を持っている人も少なくないと思います。
たしかに階段とちがって、昇り始めと終わりは段の高さが小さくなっているので違和感を感じますが、それとは別に私たちの中にはエスカレーターは動いていて当たり前という思い込みがあります。
普段は最初に自分が乗った段で動かずおとなしくしているだけで、次の階まで連れていってくれていたエスカレーターですが、停止していれば自力で昇っていかなければなりません。
この時、普段の動いているときのエスカレーターのイメージがあるので、深層心理・思い込みによって普段エスカレーターが動いているときのようなバランス調整を再現してしまうために足を踏ん張りすぎてしまったりすることで違和感を感じ、より足が重く感じてしまうのです。
心理学的には、このように脳が記憶している情報と異なる出来事が発生した場合に感じる違和感を『エスカレーター効果』といいます。
広告にも使えるエスカレーター効果
このエスカレーター効果は広告にも応用することができます。
以前、健康飲料のCMに次のようなキャッチフレーズが使われていました。
「うーん、まずい! もう一杯」
青汁のCMで、まさか味をこき下ろすはずないだろうという思い込みが視聴者の方にはあります。
そこにもってきて、「まずい!」と、これは非常に強いインパクトを与え、その結果、マイナーだったその青汁の認知度は驚くほどアップしました。
これこそが、脳で記憶している「健康飲料のCMで味をこき下ろすわけがないだろう」という思い込みを見事に裏切って、視聴者に強烈なインパクトを与えたまさに「エスカレーター効果」を利用したCMといえるでしょう。
ビジネスでも使えるエスカレーター効果
営業マンは、商品を売りたいがために「どうせ、商品のいい所ばかりを言って売りつけたいんでしょ」という思い込みが一般の人にはあります。
そこで「こちらはオススメしません。」などというと、一般の人は「あれ? 売り込まないの?」といい意味でお客様を裏切るといったことになります。
するとその営業マンは、「この人は正直な人だ。信頼できるかも。」と思わせることができます。
また売り込んだ後はもうそのままという営業マンに対するイメージに対しても、売った後も丁寧にサービスしていると、これもやはりいい意味でお客様が裏切られたことになり、丁寧に対応してくれたお客さんが別のお客さんを紹介してくれるなんていうこともあります。
ビジネスだけでない、恋愛にも使えるエスカレーター効果
エスカレーター効果は、いい意味で相手の想像を超えるサプライズです。
エスカレーター効果を恋愛に応用してものが、まさにサプライズ・プロポーズです。
相手の想像を超える素敵な演出をすることで、一生忘れられない記念日にすることができるでしょう。