ドラマにリアルを求めるのは野暮だというのは重々承知していますが、それでもツッコミをいれながら刑事ドラマをみるというのも面白い見方かなと思います。
現場に白手袋だけ?
よく刑事ドラマで刑事たちが「立ち入り禁止」と貼ってある現場の黄色いテープを潜り抜けて、現場にずかずかと入り、そこでおもむろに白い手袋をポケットから出して手にはめているシーンがありますが、これもツッコミ対象です。
実際は、現場に入れる人間は厳格に規制されています。
そして、いつ誰がどんな格好でどこまで入り、何を触ったのかをしっかりとチェックするようになっているため、たとえお偉いさんであっても、容易に現場にズカズカと入ることはできません。
ましてや、後から現場にきた所轄の刑事が、警察手帳を見せるだけで勝手に規制線をくぐって現場に入ることなど考えられません。
何よりも現場保存が最優先ですので、現場を荒らさないことが最も重要です。
ましてやポケットから取り出した白手袋をおもむろにはめただけで、あちこち物色するなどはもってのほかです。
そもそも、スーツ姿で現場に入ること自体、ありえません。
スーツの上からビニールの足袋、ビニールキャップを被って入り、現場に自分の頭髪などが落ちないように配慮をするのが普通です。

屋台で事件の話しなどしない
刑事ドラマで、刑事同士が屋台で事件の話しをしていたりするシーンがありますが、これもありえません。
そもそも刑事がそうそう屋台で酒を飲むなんてことはあまりないですし、あったとしても、屋台の店主や客など一般人が目の前にいるところで、捜査状況を話すなんてことは間違ってもありえません。
もしそのような話をするのであれば、どこかの個室であったり、ひそひそ話であったり、とにかく情報漏洩には気を遣うはずです。
一番笑ってしまうシーンが、白い粉が出てきて、それを刑事が舐め、「これはシャブだな」というシーン。
ってか、その刑事さん、シャブ舐めた時点で、薬物使用で逮捕ですから。
まあ、さすがにこういったシーンは最近の刑事ドラマではあまりみられませんが。
ドラマでの薬物使用シーン

ドラマでは、睡眠薬で眠らせたり、クロロホルムで誘拐したりするシーンがあります。
不眠で悩んでいる人は、珈琲に睡眠薬を垂らされて、5分もしないうちにすやすや眠ってしまっているところをみると羨ましく思ったりするかもしれません。
「私は睡眠薬飲んでもなかなか眠れないよ。あんなにすぐ寝れて羨ましいや・・・」と思う人も結構いるかもしれませんが、あのシーンもウソです。
睡眠薬を入れられた珈琲を飲んでも、まだ飲んでる途中で目の前がぼやけてきて眠くなり、そのまま眠ってしまうのはいかにも効き目が早すぎます。
飲んで、血中に送られなければ効いてきません。
珈琲を口にしてすぐに眠くなってきて・・・なんていうのはありえません。
でもこれをリアルに表現していたら、ドラマの尺がなくなってしまうので、いかにもすぐに睡眠薬が効いてきたような表現になったりしているのです。
ドラマや漫画・アニメでもあるのですが、クロロホルムをしみ込ませたハンカチなどを鼻にあてて眠らすシーン、いわゆるクロロシーンですが、あれも現実的には科学的に難しいのです。
クロロホルムは空気とほどほどに混合したガスを長時間吸わせることで徐々に意識を失わせていくものです。
またクロロホルムを大量に吸わせてしまうとそのまま窒息してしまう可能性が高くなります。 危険です。 当然真似なんてもってのほかです。
そもそも、一定時間無理やりかがせなければなりませんが、もちろん相手も抵抗します。
よほど強い腕力の人が強力に長時間押さえ続けなければ成立しないのです。
現実にはありえない話です。