医療関連業界、不正に対する取り締まり強化 | 薬剤師トピックス

製薬メーカーは、ここ数年データ改ざんをはじめ副作用報告遅延や不正製造といった問題が相次いで明るみにでてきています。
ちょっと思い出しただけでも、ディオバン問題、CASE-J問題、化血研の不正製造、山本化学工業の原薬不正製造、副作用報告遅延と続いています。

製薬メーカーに対し、薬機法で役員の責務を明確化

その背景には、過大な売り上げ目標の設定、それに伴う従業員への過剰な利益追求といった経営を優先しすぎるために、企業経営側のガバナンスが全然きいていないという事例が多く見られています。

そこで、厚生労働省は、虚偽・誇大広告を行った製薬企業に対する課徴金や役員の解任命令などを視野に、不正に対する行政措置を大幅に見直す方針を明かしています。

今までのように、けして違反のやり得のようなことはさせないということです。
一つの例としては、違反で業務停止となった化血研も、代替品がないとの理由から流通が続けられていたといった事例もあり、不正により得た収益に関しては、その利得をすべて回収させることができるようにしていこうというものです。

三役の要件や責任も明確化

製薬企業の三役、つまり総括製造販売責任者(総責)・品質保証責任者・安全管理責任者においては、その資格要件と責任を明確化し、特に総括製造販売責任者においては、経営会議に直接出席し、経営陣に意見できる組織内での高い地位ということも要件化されていくことになっていく予定です。
要は、不正が発覚したときにトカゲのシッポ切りで、下っ端の担当者をクビにして終わりというようなことではなく、総括製造販売責任者が責任をもって、企業内での抑止力を発揮し、聞いてない、知らなかったではすまされないようになっていきます。

医療広告ガイドラインについても見直し

医療機関の広告やウェブサイトの記載については、既に6月1日から「医療広告ガイドライン」が改正されて施行されています。
今まで、医療機関の広告やウェブサイトの記載については、「医療機関ホームページガイドライン」での自主規制にとどまっていましたが、医療機関のウェブサイトにおいても、他の広告媒体と同様に規制の対象となり、違反した場合は都道府県による行政指導や立入検査が行われることになっています。

今まで取り締まられていなかったグレーな部分がNGになります。

個人が運営しているウェブサイトやSNSの個人のページ、さらに第三者が采井している口コミサイト等への体験談の掲載については広告には該当しませんが、もし医療機関が広告料などを支払って便宜を図って掲載を依頼しているようなことがあれば、それが医療機関の広告やウェブサイトではなくても、違反対象になります。

要するに、抜け道を塞いだわけです。

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