まあ、野球はベースボールゲームというぐらい、運が左右する部分もあるから、そんなのわからないよ。
こう言われてしまえばそれまでなのですが、これを確率論的に考えていくことにします。
チーム力が互角なら試合に勝つ確率は50%
実力が互角なら、第一試合目、セリーグ・パリーグの覇者が勝つ確率はそれぞれ50%ずつ、負ける確率も50%ずつになります。
まず、この設定条件で確率論的に考えてみましょう。
日本シリーズは、先に4勝したチームのほうが優勝ということになりますが、それじゃセリーグの覇者が4連勝で優勝してしまう確率はどうなるかというと、0.5の4乗ですので、6.25%ということになります。
パリーグの覇者が4連勝で優勝してしまう確率も同様に0.5の4乗になり、6.25%ということになりますので、4勝0敗で勝負がついてしまう確率は、6.25+6.25=12.5%もあることになります。
セリーグのチームが4勝1敗で優勝する確率は、第1戦から第5戦までで「〇〇〇×〇」、「〇〇×〇〇」、「〇×〇〇〇」、「×〇〇〇〇」の4通りで、その確率はそれぞれ0.5の5条で3.125%。
セリーグのチームが4勝1敗で優勝する確率は、4通りあるので、その4倍で12.5%
逆にパリーグのチームが4勝1敗で優勝する確率も12.5%で、4勝1敗で優勝が決まる確率は、その倍なので、25%あるということになります。
同様に、4勝2敗で決着がつく確率は、31.25%、4勝3敗で決着がつく確率は、31.25%になります。
イメージとは違う結果に
日本シリーズの勝敗は、チーム力が互角ならば、最終の第7戦までもつれるでしょうという解説者のとおりになる確率、つまり4勝3敗で勝敗がつく確率は、1/3もないということになります。
また、すんなりと4勝0敗で勝負が決まってしまう確率も、12.5%、つまり8回に1回発生するということになります。
さらにイメージ的には、4勝3敗で決着がつく確率の方が多いイメージがありますが、4勝2敗で決着がつく確率と同じということになります。
確率的に計算してみると、実際のイメージとは違った結果になってくるのです。
弱いチームが優勝することも
ここで、もう一つ、確率で面白いことをやってみましょう。
先ほどは、チーム力が互角で、それぞれが勝つ確率が50%として計算しましたが、セリーグの覇者のほうが強くて勝つ確率が55%とするとどうなるでしょうか。
同じように計算していくと、セリーグの覇者、つまり強い方のチームが4連勝で決着してしまう確率は、0.55の4乗で9.15%
先ほどの6.25%よりも、やはり上がっています。
同様に4勝1敗で優勝する確率は20.13%、4勝2敗で優勝する確率は15.7%、4勝3敗で優勝する確率は30.4%になります。
つまり、55%の確率で勝てる実力があれば、日本シリーズで優勝する確率は87.4%になります。
ということは、弱いチームでも約13%は優勝できる可能性が残っているのです。
言い換えると、8回に1回は弱いチームが優勝するということになり、勝負の世界はいつも実力どおりとはいかないのが面白いところでもあります。