意匠権はデザインを保護するためのもので、この意匠権があるからこそ、他社が製品のデザインを真似できないという保護があるのです。
なぜ意匠権があるのか
製品を選ぶとき、性能や価格で選ぶという人も多いと思いますが、性能も価格も似たりよったりとなると、最終的に購入製品を決定するのは、お気にいりのデザインかどうかという場合もあると思います。
形が気に入った、色がいいというように、デザイン的にみて、自分の好みかどうか商品が購入されていきます。
売れている商品をみると、当然、競合他社も真似したくなるものですが、簡単にデザインを真似されてしまったら、デザインで先行したメーカーにとっては不利益な結果になってしまいます。
そこで、不利益にならないように権利を守ろうということで制定されたのが意匠法になり、意匠権は、特許権・実用新案権・商標権とともに、工業所有権になっています。
意匠権があることにより、ブランドを似せたニセブランド品・コピー商品、類似商品などの模倣品対策に絶大な効果を発揮しているのです。
意匠法にはどう書いてあるのか
意匠権は、意匠法という法律で定められています。
意匠法の条文では、『意匠』について、「物品の形状、模様も敷くは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう」となっています。
意匠法の対象となものは、物品に限ることになっています。
つまり、打ち上げ花火のように、半永久的にその形をとどめないものは、意匠法の対象にはなりません。
外から見えなければ、意匠法の対象にはならないんじゃないかという問題がありますが、外から見えなかったとしても、売買の対象になっていれば意匠法が適用されることになっています。
身近な商品やパッケージのデザインについても取得することが可能です。
意匠権の条件
意匠権を取得するためには、特許庁への登録が必要ですが、特許権に比べれば出願も簡単で許可も比較的早くでます。そして有効期間は登録から25年有効です。
もちろん、日本で登録した意匠権は、日本国内でしか効力がありません。
意匠権をとるためには、工業上のデザインつまり工業上の利用性が必要となります。
例えば、農作物の形状であったり、工業用の利用ができないもののデザインは意匠権は取得できません。
もちろん、誰でも思いつくような簡単なデザインでは意匠権はとれません。
未発表であるか、発表後1年以内のデザインで新規性があるものでないと意匠権はとれません。
とにかく意匠権は早い者勝ちですので、もし類似のデザインが意匠権で出願されていたら、意匠権を取得できない可能性があります。