漢方薬の使用ルート | 薬剤師トピックス

漢方薬を利用するには、いろいろな方法がありますが、まずは漢方薬といっても、医療用と一般用(OTC)の2種類があります。

医療用漢方薬

医療用漢方薬は、病院、漢方専門医院、漢方外来などで処方されるものです。 

利用するには、医療機関を受診して、医師の診断を受けて、通常は保険適用となった医療用の漢方薬が処方されます。
保険適用となっているので、経済的な負担は少なくて済みます。

普通の病院やクリニックでは、漢方薬が処方されることがありますが、漢方医学の知識が薄く西洋医学の立場から、検査や診療が行われ、その補助として漢方薬が使われます。

漢方外来の場合は、漢方医学の知識をしっかりもった医師が、西洋医学的な検査や診療に加えて、四診や症状をみて、『証』を見極めて、保険適用となっている漢方薬が出されたりします。

漢方専門病院・漢方専門医の場合は、漢方医学に精通した漢方医が、漢方医学の視点でしっかりと患者の『証』を見極め、保険適用になっている漢方薬の場合もありますが、それとは別に自由診療として漢方生薬が調合され、それを煎じて飲むようなケースもあります。

この場合は、自由診療なので、保険外診療という扱いになりますが、漢方医の裁量で未許可の生薬や保険適用疾患以外の漢方薬も利用可能になるので、本当の意味でしっかりとした漢方治療が行えますが、全額自己負担になります。

保険適用になった漢方薬は、約150種類で種類が限られていますが、漢方専門医の場合は、独自に調合して処方されたりするので、保険適用になっている漢方処方以外でも、いろいろと調合されます。

一般用漢方薬

医療用漢方薬を利用するには、医療機関で医師の診療を受けて、処方箋をつくってもらって利用することになります。

これとは別に、漢方薬は薬局やドラッグストアで一般用漢方薬(OTCの漢方薬)が販売されていて、処方箋なしで入手できます。

最近では、医薬品の販売が緩和され、OTCの漢方薬は第3類医薬品に該当するため、ネット販売でも購入できるようになっています。

医師の診断なしに、薬局やドラッグストア、ネットなどで自由に購入できる反面、処方によっては、生薬の量が半分に抑えられていたり、また全額自己負担となるので、高くついたりします。

病院での診断なしで保険適用外の漢方薬を利用したい

街を歩いていると、どきどき『漢方薬局』をみかけます。

漢方相談というような看板があり、漢方薬に詳しい薬剤師がいます。

薬剤師は、医師と違い、体に触れて診断することはできません。

漢方は、『四診』といって、問診(もんしん)・聞診(ぶんしん)・望診(もうしん)・切診(せっしん)を組み合わせて、『証』を判断していきます。

問診は西洋医学と同じく患者の症状を聞き取ること、望診は患者の動作や状態・顔色や舌の状態などを観察すること、聞診は患者の声や呼吸音・咳・口臭や体臭をみることで、問診・聞診・望診までは患者に触れないでできる観察の域の話しなので、薬剤師でもすることが可能です。

しかし薬剤師は、脈診や腹診など体に触れる切診は行うことができません。

漢方薬局では、切診は行えませんが、問診・聞診・望診でより患者の『証』に近い状態を判断し、保険適用外の漢方薬をオススメしたり、紹介したりして、患者の要望に従って、調合し処方することが可能になっています。

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