知的財産権とは、人の精神的、知的創造活動の成果を守るためのものです。
21世紀は、知的創造の時代だとも言われてきましたが、そこで知的財産権というものが非常に重要になってきます。
特許・知的財産権というと、言葉自体はほとんどの人が聞いたことはあると思いますが、漠然としたイメージしかないという人も多いと思います。
知的財産権
人間の精神的、知的な創造的活動からは、いろいろな技術上の情報、営業上の情報といったいろいろな形のないものが成果として生み出されてきます。
それらには、形はなくても、経済的な価値がり、それに伴う権利を総称して『知的財産権』と呼んでいるのです。
知的財産権ということで、身近なものとして思いつくのが、音楽や小説、さらにはコンピュータのプログラムといった著作物を対象とした著作権だと思います。
著作権も知的財産権の一つですが、他にもいろいろなものがあります。
いろいろな知的財産権
知的財産権の種類 | 保護対象 | 関連法 | 管轄官庁 |
---|---|---|---|
特許権 | 発明 | 特許法 | 経済産業省 特許庁 |
実用新案権 | 考案 | 実用新案法 | 経済産業省 特許庁 |
意匠権 | デザイン | 意匠法 | 経済産業省 特許庁 |
商標権 | 商標・サービスマーク | 商標法 | 経済産業省 特許庁 |
著作権 | 著作物 | 著作権法 | 文部科学省 文化庁 |
半導体集積回路配置利用権 | 半導体集積回路配置 | 半導体集積回路の回路配置に関する法律 | 経済産業省 |
商号権 | 商号 | 商法 | 法務省 |
営業上の秘密事項を保護する権利 | 営業上の秘密事項 | 不正競争防止法 | 経済産業省 |
植物の新品種を保護する権利 | 植物の新品種 | 種苗法 | 経済産業省 |
このうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権をまとめて、工業所有権とも呼んだりします。
またこの4つが関連した法律、つまり特許法、実用新案法、意匠法、商標法をまとめて、工業所有権法と呼ぶこともあります。
具体的な工業所有権の実際

ある新商品が発売されたとき、そこにはいろいろな工業所有権があるといったこともあります。
分かりやすいように、車を例にとってみることにします。
新車が発売されたとします。
エンジンで新しい原理によるものを発明し利用していれば、それは特許権の対象になります。
ハンドルの形をより使いやすい形に工夫していれば、それは実用新案権の対象になります。
車のボディーデザインについては、デザインなので意匠権の対象になります。
さらに車にブランド名やマークをつければ、それは商標権の対象になります。
このように、いろいろな知的財産権が関係してくるのです。