論理手法には、大きくわけて3つあります。
演繹(えんえき)・帰納(きのう)・アブダクションです。
演繹
論理手法の1つ目、演繹(えんえき)は、読めない人も結構いると思います。
演繹は、アリストテレスの三段論法として有名で、三段論法と聞くと、ああなるほどねと思う人もいるかと思います。
演繹では、最初に大前提とした確たる土台があり、それは論拠として受け入れられるものであることが重要です。
例えば、
すべての人間は死ぬ(大前提)
ソクラテスは人間(小前提)
ソクラテスは死ぬ(結論)
これは演繹としては正しいものになります。
演繹では、例えば、「すべての人間はしなない(大前提)」といった具合に、大前提が間違っていれば、そこから導き出される結果も間違ってしまいます。
また、
すべての犬は死ぬ(大前提)
ソクラテスは死ぬ(小前提)
ソクラテスは犬である(結論)
のように、確かに大前提、小前提とも正しくても、間違った組み合わせをしていれば、間違った結論が出てしまいます。
帰納
帰納は、個別の事例や事象に基づて、そこから共通点を見出して結論としていく手法です。
キャベツが高い
ダイコンが高い
ニンジンが高い
レタスが高い
⇒野菜の値段が高い(結論)
帰納の場合、観察事項が少ないと、誰もが納得できる結論になりません。
例えば、「ニンジンが高い」という事例だけで、野菜の値段が高いと結論づけるのは、間違いです。
間違った帰納に注意ということで、わかりやすい例を出してみましょう。
ビールを飲むと酔っぱらう
シャンパンを飲むと酔っぱらう
ジンフィズを飲むと酔っぱらう
3つに共通しているのは炭酸
だから、炭酸を含むソーダを飲むと酔っぱらう
炭酸を飲んでも酔っぱらいませんので、これは間違いだとすぐわかると思います。
問題は、3つに共通しているのは炭酸だけではないというところです。
アルコールも共通しているので、間違った結論になってしまいました。
帰納ではこうしたことに注意を払う必要があります。
アブダクション
アブダクションは、アリストテレスが提唱していましたが、日本では「仮説的推論」とか「仮説形成法」とか呼ばれている手法です。
店の客足が急に減ったという事実があった場合、その理由として、アクセスのさらに良い所に競合店が開店したという仮説を立てたとします。
その仮説が本当なのかを調べます。
そこで、仮説の立て方は納得がいくものか、そしてその仮説はきちんと検証できているのかということが重要になってきます。
ビジネスの世界でも、よく仮説を立て、それについて検証していくという手法がよく使われています。