偉人も提唱している一服の大切さ | 薬剤師トピックス

物事を合理的に考えると、全ての無駄を省くということになります。しかし、そうすると物事がうまく運ばなくなってしまいます。

自動車のハンドルにも遊びがあります。もし遊びがなかったら、ちょっとハンドルを握っている手がブレただけで、大きく自動車は曲がり、事故の原因にもなってしまいます。

このように、ある程度の無駄は必要なのです。

無用の用とは

『無用の用』という言葉があります。

文字から意味を考えると、無用は、不要・役に立たないという意味になります。
用は、必要、役に立つという意味になります。

辞書を引くと「無用の用とは、役に立たないと思われているものが、実際は大きな役割を果たしているということ。」となっています。

無用の用について、老子は次のようなことを教えとして説いています。

30本の車輪の中心部から輪に向かって放射状に出ている棒は1つの車輪の中央の太い部分に集まって車輪を形成しています。
そこに何もない空間があるから、車輪としての役割を果たすのです。

粘土をこねて器を作ります。
器の中に何もない空間があるから、器としての役割を果たすのです。

戸や窓を貫いて部屋を作ります。
部屋の中に何もない空間があるから、部屋としての役割を果たすのです。

つまり形がある物が価値があるのは、形がない物がその役割を果たしているからです。

現代社会の中の無用の用

『無用の用』、老子の教えとはいえ、なんかピンとこないという人もいるかもしれませんが、現代風にわかりやすく例をあげると、世間話がいい例かと思います。

世間話は、仕事にも生活にも直接関係したことではないので、一見時間を無駄に浪費しているだけのように思われます。

でも、実はその世間話ででてきた話題の中に、実生活や仕事の上で重要なヒントがあったりします。

本田宗一郎も社員に言っていた無用の用とは

本田宗一郎と言えば、本田技研工業の創始者として広くしられていますが、社員に『無用の用』という言葉を使って、次のように言っていたそうです。

「休憩時間は仕事の話をなるべくしないで、お茶でも飲んで、一服するように。休日は仕事のことは完全に忘れ、思いきりリフレッシュするように。これも無用の用!」

仕事ばかりしていると、頭が固くなって、良いアイデアもわかなくなり、人間関係でも思いやりや優しさが薄れてしまいます。

そんな時、休憩をすることで気分転換を図れば、心にゆとりができて、頭がが柔軟になって良いアイデアが浮かんできます。
そして他人を思いやる余裕もでてきて人間関係も良くなります。

休日も仕事のことをずっと考えているような仕事一筋の仕事人間という人もいるかもしれませんが、時には、ゆったりと一服して肩の力を抜くことも大切です。

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