植物の肥料の与え方 | 薬剤師トピックス

家の庭やベランダのコンテナ、家の中の鉢などで植物を育てている人もいると思いますが、土や肥料は、植物の根の環境や整腸に直接かかわってくるとても重要な要素です。

肥料はたっぷり与えれば良いというものではない

肥料は栄養だから、多いに越したことがないだろうとたっぷりと肥料を与えたりする人がいますが、肥料は常にたっぷり与えれば良いというものではありません。

上手な肥料の与え方は、植物の生長段階に合わせて、その肥料の種類や量を管理することにあります。

そこで重要になってくるのが、土や肥料に関する知識になります。

まずはおさえたい肥料の三要素

植物が健全に生育していくために必要な要素は、水・空気・温度・光、それに根から吸収する養分になります。

肥料には、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、イオウ、鉄、亜鉛、銅、ホウ素、モリブデン、塩素などが入っていますが、その中でも重要な働きをして、大量と必要になる窒素・リン酸・カリウムは、『肥料の三要素』と呼ばれています。

よく肥料を買うと、そのパッケージなどに、「5:10:5」などの表示記載があったりしますが、これは成分中に含まれている窒素・リン酸・カリウム、つまり肥料の三要素の割合を示すもので、「5:10:5」であれば、100g中に窒素が5g、リン酸が10g、カリウムが5g含まれているということになります。

『窒素(N)』は、植物の葉や茎の生育に必要で、植物の生育に最も大きな影響を及ぼす成分で、いきいきとした葉が育つには窒素がとても重要な役割を果たしています。

『リン酸(P)』は、枝分かれや根の発達に欠かせない成分で、植物全体の生育を促進し、花つきや実つきを良くする働きもあります。

『カリウム(K)』は、植物の根を上部にして、病害虫への抵抗力を高める働きがあります。

ケースバイケースで変わってくる肥料

窒素・リン酸・カリウムの配合バランス、つまり『N・P・Kバランス』の違いによって、その肥料がどんなケースに最適なのかがわかります。

『N・P・Kバランス』が1:1:1、つまり等分に含まれているものは、どんな植物にも、どんな時期にも安心して使える一般的なオールマイティーな肥料になりまる。

リン酸が多いものは、リン酸が開花や結実を促進する成分であることから、野菜や果菜、果樹、草花や鉢花といった、花や実を楽しむ園芸植物全般にお奨めになっています。

逆にリン酸が一番少なくなっているものもありますが、これは水に流されやすい窒素とカリウムを補給するのに適していて、家庭園芸用には少ないリン酸をあまり必要としていない植物や、肥料効率を重視する農業用の追肥などに使われたりします。

窒素を多く含む肥料は、観葉植物や葉菜類など、葉や茎の成長を特に重視したいものに利用され、葉の色が薄くなってきたときなどに有効です。

カリウムを多く含む肥料は、株を丈夫にして、根を充実させたい場合に適していて、球根植物や根菜類、越冬前の宿根草、室内鉢花などに適しています。

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