社会的影響を受ける人間の心理 | 薬剤師トピックス

個人が社会の集団の中で、その判断や行動が他者の存在やコミュニケーションによって影響されて変化することを『社会的影響』と呼びますが、これはよく起きていることです。

他人が周りにいると仕事が捗る人、捗らない人

周りに他人がいるほうが仕事が捗るという人と、いやいや逆に捗らないよという人がいます。

周りに他人がいることで仕事が捗る場合は、『社会的促進』といい、逆に周りに人がいると仕事の効率が下がるといった場合は、『社会的抑制』といいます。

他人の存在が、作業する人の覚醒水準を上昇させるのですが、それが促進として働くのか、抑制として働くのかは、個人個人の性格によるところも大きいのですが、与えられている課題の内容にもよります。

一般に、課題に自信がある場合は社会的促進となり、課題に自信がない場合は社会的抑制となります。

つまり、慣れている仕事や自信がある仕事の場合は、他人がそばにいる方が効率があがり、不慣れな仕事やあまり自信がない仕事の場合は、他人がそばにいない方が効率があがります。

社会的手抜き

運動会の綱引きで、ちょっとぐらい自分が手を抜いたからって、大して違いがないだろうという考えがよぎったことがある人もいると思います。

普通は、チーム〇〇ということで、チームとなって事にあたると、お互いの相乗効果や化学反応が起きたりして、より大きな成果をあげることができたりするものです。

しかし、『社会的手抜き』といって、人間が集団で何かの活動をするとき、1人あたりのパフォーマンスが、単独で活動するときよりも低下するという現象が起きたりします。

なぜ社会的手抜きが起こるのかといおうと、自分がどの程度努力・貢献しているのかが集団になると評価されにくいという面があります。

その集団がどのおゆな人で構成されているのかとか、どのような課題に取り組んでいるのかということによって、社会的手抜きが起こるかどうかが異なってきます。

町内会の運動会の綱引き程度のものであれば、こんなのお互い親睦を深めるためのものなので、どっちが勝ったって関係ないし、明日からの仕事にエネルギーを取っておかないと、こんなことでエネルギー使っても仕方ないしとなれば、社会的手抜きになるでしょうし、すごい目標に向かってみんなで同じベクトルで頑張っているようなチームということであれば、使命感やモチベーションが高いので、社会的手抜きは起きにくいでしょう。

同調

コロナ禍で、『同調圧力』という言葉が問題になりました。

なんでも多数決で、それとは違う行動をする人に対して白い目を向け、圧力をかけるというものです。

同調とは、同じ集団で同じ行動をする人が多い場合、みんなが同じようにしているんだから、当然同じ集団である人は全員、同じように行動すべきであるという圧力が生じて、その圧力を感じることで、自分の考えや行動を変えて、周りに合わせてしまうことです。

会社の会議などでもキーマンとなる人をみつけ、その人に同調してもらうように根回しをしておくといいったことは、この同調と人間の集団心理というものをうまく利用した戦術と言えるかもしれません。

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