薬品棚の医薬品の並べ方は、薬局によっていろいろと工夫がされていて違うと思います。
多いのが50音別、あるいは薬効別に並べられているのではないでしょうか。
間違いやすい医薬品同士は、色分けをしたり、陳列場所をあえて離したりといった工夫をしているところもあると思いますが、原則は多くの薬局の薬品棚をみると、50音順か薬効別で陳列されています。
薬効別での陳列
薬効別での陳列すると、新人や初めて入ってきた薬剤師は医薬品の場所を覚えるのが大変で時間がかかってしまいます。
また1つの医薬品で複数の薬効がある場合は、不都合が生じてしまうことがあります。
さらに、劇薬・毒薬・外用薬・散剤などを全てにおいて薬効別で配置することは難しくなってしまいます。
一方、薬効別で陳列した場合は、似た名前が近くになりにくく、そういった点では取り違いのリスクを減らすことができます。また常に薬効を意識して調剤を行うことができます。
50音順での陳列
50音順での陳列のメリットは、新人や新しく入ってきた薬剤師でも、医薬品を探しやすいというところにあります。
たとえ新規採用になった医薬品があっても迷うことなく探すことができます。
しかし、似た名前の医薬品が隣り合うことになり、思い込み調剤により調剤過誤が起こるリスクが高くなります。
調剤棚で医薬品が左から並べられている理由とは
左から並べられているって、そんなのは文字を書くときも左から右だからそれにならっているだけなのではと思うかもしれませんが、実は深い理由があるのです。
日本人は左利きの人は3%と言われています。つまり右利きの薬剤師が多いということになりますが、医薬品を調剤する場合は、利き腕を使って調剤することが多いかと思います。
なんだ、それなら右から左に並べた方が取りやすいんじゃないの?と思った人もいるかもしれません。確かにその通り、右から並べると右利きの人に取っては、医薬品を取りやすくなります。しかし取りやすくなったことで隣接する医薬品と取り間違いが起こるリスクが高くなってしまいます。
だから左から並べることであえて医薬品を取りにくくすることで、確認する機会が増えるようにしています。
薬品棚は、縦ではなく横に並べられている理由とは
これも医薬品の取り間違いに気づきやすいか気づきにくいかということを考えて、多くの場合、横に並べられています。
医薬品は縦に並べた場合、上段と下段の取り間違いが気づきにくいと言われています。横に並べ、規格ちがいは少し離すなどの工夫をすることで、取り間違いを減らすことができます。
規格違いの場合は、色を変えたり表示を大きくしたりといった工夫をしても良いでしょう。